お茶っ葉になり、お茶スイーツ、ラーメンなど“お茶尽くし”を楽しめる静岡県掛川市と島田市を旅してきた
静岡県は日本有数のお茶の産地だが、今回は静岡県のなかでもお茶の生産が盛んな島田市と掛川市で、お茶をテーマにしたプレスツアーに参加してきた。 【画像】合格駅 島田市にはSLやトーマス号も走ることで有名な大井川鐵道があり、この路線に沿って観光名所などがある。例えば、2020年に五和(ごか)駅は合格駅に改名。現在は試験などの合格祈願ができる場所になっている。また、市はシティプロモーションとして「島田市緑茶化計画」を掲げており、「地球上でもっとも緑茶を愛する街」を目指している。 ■ お茶っ葉になりきって製法を知り、お茶やグルメ地元の食材を買える「KADODE OOIGAWA」 合格駅の隣にある門出駅に直結したお茶と農業の体験型フードパーク「KADODE OOIGAWA」(静岡県島田市竹下62)を訪れた。 ここでは、茶葉になりきって緑茶工場体験ができる「緑茶ツアーズ」(1回500円)が開催さえれている。緑色のポンチョをかぶり、蒸し・揉み・火入れなどの工程を茶葉の気持ちになりきって知ることができる。風やミストなどが出てきてアトラクション感満載だ。ナレーションはすべて声優の浪川大輔さんが担当している。 施設では茶葉の蒸しと火入れを段階別に組み合わせ、“いろは“で16種類に分類したオリジナルの緑茶を販売しており、ツアー終了後にはオリジナル緑茶のなかから浅蒸し・深蒸しでそれぞれ火入れの時間が違う4種類を飲み比べする。緑茶は浅蒸しだとすっきりとした味わいが特徴で、深蒸しはまろやかな味わいになる。火入れは弱火だと爽やかな香りになり、強火だと香ばしくなる。 「緑茶ツアーズ」後に試飲できるのは浅蒸しで火入れが弱い「い」、浅蒸しで火入れが強い「に」、深蒸しで火入れが弱い「わ」、深蒸しで火入れが強い「た」の4種類。筆者はすっきりとうまみが強く、緑茶の香りがよい「い」を買って帰った。ツアー係の方いわく、まろやかで苦みをしっかり感じられて香ばしさが特徴の「た」も人気だという。 試飲に使ったオリジナルミニ茶碗は持ち帰れるので、自分へのお土産として体験してみるのもお勧め。16種類のお茶の説明は体験ブース近くにある「MANDARA 茶柱」に1つ1つの特徴などが書いてあるので、参考にして選ぶのもよいし、8質問に答えると気分に合う緑茶を診断する「緑茶診断」や運まかせで選べる「茶みくじ」などもある。 また、選んだお茶をオリジナルの「KADODE ボトル」で持ち帰れる「緑茶B.I.Yスタンド」(体験料 ボトル付き 500円)もある。スタンドでは好きな茶葉を選び、アイスかホットを選択。茶葉に合わせた入れ方で簡単に美味しく淹れられる仕組みになっている。 もちろんお茶を使ったお菓子やお茶にまつわるグッズ、静岡の名物お菓子なども売っているのでお土産選びに便利だ。静岡の有名なお菓子「うなぎパイ」とお茶のペアリングなども紹介しているので、お菓子に合わせてお茶を選ぶのもよい。 また、フードコートには静岡名物朝ラーの人気店「麺屋燕 KADODE大井川店」も出店しており、鰹出汁がよくきいたスープに緑茶を練り込んだ麺を付けて食べる「手火山鰹の極上つけそば」(1200円)を食べられる。このほか、お茶漬け専門店やSLをテーマにしたハンバーガーとクラフトビールを楽しめるお店なども楽しめる。 「KADODE OOIGAWA マルシェ」のエリアには、静岡県内のクラフトビールや地元の日本酒、近海で獲れた魚を楽しめる鮮魚店「魚喜」、野菜売り場などが並ぶ。さらに、地元の惣菜屋「天神屋」ブースでは、お弁当のほか、静岡名物「しぞ~かおでん」も販売しており、お土産として購入もでき、熱々おでんを楽しめる。 「ふじのくに新商品セレクション」を受賞した新たな加工品のコーナーもあるので、これからの定番お土産になりそうな商品を探している人はこちらのブースからお土産を選ぶのもお勧めだ。 ショップのほかにも子供が遊べるプレイエリアやツリーハウス、ドッグランなどもあるので、子供連れやペット同伴にも嬉しい設備があり、家族での旅行の際に立ち寄るのもよい。 ■ 大井川流域の観光情報がまるっとわかる「おおいなび」には緑茶水道も マルシェがある施設から道路を挟んだエリアには、ビュフェ式のレストランがあり、観光案内をしている「TOURIST INFORMATION おおいなび」もある。 ここでは大井川流域の観光コンテンツを楽しんでもらうため、大井川流域の体験プログラムなどを案内しており、「大井川でやるべき100のこと」としてカードを集めてオリジナルの観光カードを作ることができる。黒板に描かれた観光情報は、観光コンシェルジュの方が随時更新している。 大井川の川越人足カップで楽しめる緑茶「Green Ci-Tea」や、日替わりのお茶が出てくる緑茶水道も楽しめる。人足が川の深さによって渡し賃を変えたことにちなんで、股通(SS)が230円、乳通(S)が330円、川留め(M)が430円。茶畑をイメージした「茶畑茶っぷりん」(380円)と一緒に食べるのもお勧め。 島田市の名産や大井川鐵道のSLに関するグッズや、アニメ「ゆるキャン△」のグッズなども買えるので観光する場所を探しながら、お土産も探せるスポット。 ■ 掛川で伝統工芸の葛布を学び、おしゃれなお茶屋さんでスイーツとお茶を楽しむ 続いて向かったのは掛川市内で葛布の製作・販売を行なっている「小崎葛布工芸」(静岡県掛川市城下3-4)。葛布とは、葛の茎の繊維を取り出して織り上げた布だ。掛川の特産品で、鎌倉時代には武士の乗馬袴地などに用いられていた。すべて職人が手織りで織っており、特に人気なのは名刺入れなどの小物で、ほかには団扇、日傘なども人気だという。軽くて丈夫なのが特徴だ。現在葛布を作っているのは小崎葛布を入れて2店舗しかなく、貴重な品を見ることができるので伝統工芸などが好きな方は一度訪れてみるのがお勧め。 最後は日本茶のカフェ兼ショップである「茶の庭」(静岡県掛川市上内田389-1)。お茶や茶菓子、茶器の販売のほか、カフェではお茶の体験セットや抹茶ラテ、スイーツメニューやランチセットなどを楽しめる。お茶農家が集まって立ち上げた会社で、自社農家や契約農家のお茶を使っている。 店内席とテラス席があり、どちらの席からも外の茶畑を眺めながら食事ができるのが特徴だ。今回いただいたのはお点前セットの「深蒸し煎茶 碧音」(1400円)と「抹茶ラテICE」(600円)、土日祝日限定の「葛どら 抹茶クリーム」。 お点前セットの「深蒸し煎茶 碧音」では3杯分のお茶を淹れる体験ができ、お茶の入れ方が書かれた紙通りに淹れると美味しく飲める。茶碗と急須は「茶の庭」がオリジナルで開発したもので、茶碗はワイングラスのような形状でお茶の香りを感じやすいデザインになっている。和菓子や果物がセットになっているが、内容は季節によって変わる。 「抹茶ラテICE」は茶畑をイメージしたクリームの盛り付けで、抹茶のすっきりとした旨味と苦みを感じられるラテ。記者は生クリームが苦手なのだが、クリーム自体の甘さも控えめで、抹茶の苦みでさっぱり飲めるのであっという間に飲みきってしまった。 「葛どら 抹茶クリーム」は粒あんと抹茶クリーム、葛餅を挟んだどら焼き。葛餅は奈良県産の本葛を使用しており、抹茶クリームは適度な苦みがあっておいしい。このお菓子は冷凍菓子のため、ショップで購入して持ち帰ることも可能。ネット上で購入もできるのでぜひ試してみてほしい。 今回は、静岡県の島田市、掛川市でお茶をメインにした観光スポットを巡った。全体を通してお茶をたくさん飲んだ1日だったのだが、印象に残っているのはどこで飲んだお茶もすべて美味しかったことだ。とにかく香りが良く、しっかりと茶葉の旨味を感じられるお茶ばかりだった。「え、お茶ってこんなに美味しかったっけ」と感動し、茶葉をたくさん購入してしまった。 島田市、掛川市は町中でもお茶の木が生えていたり、富士山と茶畑が同時に観られるスポットがあったり、景観からも静岡らしさを感じられる場所だった。今回は紹介できなかったが、お茶だけではなく、お城や温泉、アニメの聖地巡礼、花鳥園、鉄道など他にも見どころがたくさんあるので、ぜひ一度訪れてみてほしい。
トラベル Watch,編集部:二村 茜
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