51歳、初めての結婚。ステップファミリーとして「突然、独身から孫のいる身に!」。夫の家族に飛び込む「決断」の決め手とは【体験談】
夫は「私を解放してくれる」人だった
「彼とはテニスが趣味という共通点でマッチングされました。初めて会うときも、私は相手の写真も見ずに行ったんですよ(笑)。それほどに、相手の内面や興味のベクトルというものを重視するようになっていたんです」。 お相手のAさんは、とても情熱的でオープンマインドな男性でした。ひろみさんが心を開くのに時間はかからず、出会って3カ月後には、結婚を決めたという二人。今だから言葉にできる、「家族になる決め手」はあったのでしょうか? 「私が『彼となら家族になれる』と思ったのは、私が固くなったり委縮したりせず、カタチで例えるならば “マル”のままの自然体でいられたから。それまで自分の家族とすら本音で話すことはなく、仕事では立場が上がるにつれて相手との距離を保つことが大切になる。自分から人の懐に入っていくのが苦手で、孤独な私でした。 ところが、オープンなマインドな彼の前では、何かを抑え込んだり尖らせたりせず、それはそれは自然に柔らかな“マル”のままでいられたんです」。 そんな相性の良さを、ひろみさんはこんな風にも表現します。 「彼と出会い、そして家族になって得られたもの。それは『自分が解放された』という感覚でした。 “相性の良さ”という言葉を漠然と使っていたけれど……今振り返って言語化すると、この感覚こそが“相性がいい”ということなんだと思います」。 まさに、かつて自身の背中を押してくれたあの新聞記事の通り。ひろみさんとAさんがそれぞれのままで、互いの人生経験や価値観を共有していく日々が始まりました。 ▶つづきの【後編】『「母親ではない私だから…」焦らず、見守り、理解しながら。「3世代ステップファミリー」の心地よいカタチを探し続ける』では、関係性の構築のための苦労・いい具合の距離感づくり・育児などの未経験を補うために心がけたこと等についてお届けします。
ライター/矢島美穂