【POG】「重賞でも楽しみ」ロンドボス デイリー杯2歳Sへ好感触(栗東発)
競馬新聞「馬サブロー」が誇るPOGマスター、塩手智彦(栗東)と木村拓人(美浦)がお送りするPOG情報。東西のトレセンでつかんだ情報をお伝えします。 牝馬クラシックの重要なステップレースとなっているアルテミスS。過去10年の勝ち馬には16年リスグラシュー、17年ラッキーライラック、20年ソダシ、23年チェルヴィニアとそうそうたるメンバーがおり、22年2着のリバティアイランドは牝馬3冠を達成。今年もハイレベルなメンバーがそろったが、フォーエバーヤングの異父妹ブラウンラチェット(牝、美浦・手塚)が3番手追走から直線で逃げた2着馬をかわして、無傷V2で重賞初制覇を決めた。レースセンスが良く、追ってからの反応も抜群。兄とはタイプが違って、芝の切れ味勝負が向きそう。今後の活躍が楽しみだ。 2着は逃げ粘ったミストレス(牝、矢作)。新潟で新馬戦を逃げ切って中1週での参戦だったが、持ち時計を1秒4短縮し、力は十分に示した。次走は阪神JF(12月8日・京都、芝1600m)でG1獲りを目指す。 10月27日の東京新馬戦(ダート1600m)はタガノビューティーの全弟タガノバビロン(牡、西園翔)が中団追走から、ラストはメンバー最速タイの上がり3F36秒2の末脚を繰り出し、2着に2馬身差をつけてVを決めた。師は「兄みたいに追ってからが良く、いい内容で勝ってくれました」と笑みを浮かべた。「これからもっと良くなると思いますし、先々が楽しみです」とさらなる成長を期待した。次走は同舞台のカトレアS(23日・東京、ダート1600m)を予定している。 僚馬で9月29日の中山新馬戦(芝1200m)を逃げ切ったカンシン(牡)。レースを振り返って、師は「ケイコの時からスピードはあると感じていましたし、普通に走れば勝てると思っていました。ノーステッキで素晴らしい走りを見せてくれました。父(ビッグアーサー)のいいところを受け継いでいますね」とかなりの手応えを感じている様子。次走は同舞台の黒松賞(12月7日・中山、芝1200m)を予定。連勝を目指す。 僚馬で9月28日に中京新馬戦(芝2000m)を勝ったロケベンドラ(牝)はレース後に骨折が判明。かなり強い勝ちっぷりで能力は高そうなだけに、復帰を楽しみに待ちたい。 今回は社杯のデイリー杯2歳S(9日・京都、芝1600m)を予定する2頭の1週前の様子をお伝えしたい。キュクロープス(牡、高橋康)は9月21日の中山新馬戦(芝1600m)で逃げ切りV。その後は放牧を挟んで、ここを目標に調整を進めてきた。師は「まだ幼いところがあり、緩さも残っているなかで臨んだ初戦でしたが、思った以上にいいパフォーマンスで勝ってくれました。ポテンシャルは高いですね。心身ともに成長は必要だと思いますが、徐々に大人にはなっていますし、現状で重賞のメンバーを相手にどこまでやれるか楽しみです」と期待を寄せた。 10月5日の東京新馬戦(芝1600m、牝馬限定)を勝ったロンドボス(牝、藤原)はC・デムーロJで予定。初戦のレースを振り返って、田代助手は「道中はフワフワしていたが、直線は素晴らしい伸びだった。開幕週の馬場で、あの位置から差し切って勝つのはなかなかできる芸当ではないからね」と賞賛した。その後は放牧を挟んでここを目標に仕上がりは良好。「1回使った分の上積みは十分に見込めるし、右回りに変わる点も問題ない。重賞でも楽しみ」と力を込めた。(馬サブロー栗東支局・塩手)