「切り抜き動画」に対抗できないと、この先は生き残れない――23歳差の佐久間宣行とコムドット・やまとが語る「葛藤」
切り抜き動画に対抗できる魅力がないと、この先は生き残れない
同世代YouTuberとの積極的な共演理由を問われたやまとは、「YouTubeに新しい風を吹かすため、若い世代を押し上げないといけない」と熱い思いを語る。佐久間は、「この先クリエイターはテレビで満足できずサブスクやYouTubeへと流れ、メディアが分断される」と危機感をにじませる。二人がリレー状態で交わす激論。いま一番の悩みの種について話題が及ぶと、やまとはYouTubeで乱立する「切り抜き動画」に対する思いを吐露した。 やまと:例えばサッカーの場合、全体の試合を見ずシュートシーンだけを見て満足しちゃう。そうしたダイジェストで済ませてしまう癖が、切り抜き動画によってつけられ、しかもそれで満足する人がメチャ増えて。結果、本編動画にたどりつかず再生数が乗らなくなっているんですよ。 佐久間:一番良い部分だけを見て、友だちとネタにできればいいや、ぐらいの感覚で動画を消費しているんですね。 やまと:そうです。またその切り抜き動画をTikTokに流されたら、広告も一切つかない。自分たちの商品を、勝手に転売されたようなものです。この先クリエイターは、切り抜ききれない魅力を持てるかが大切になると思っています。 佐久間:切り抜きに対抗できる魅力を持っているかどうかで、YouTubeで生き残れるかどうかが変わると。 やまと:今僕たちは、動画を40分~1時間の長尺で作っているんです。これだけ長尺になると展開の一部始終を切り抜ききれなくなる。しかも、動画の中でわざとハイライトを作らなかったり、作る場合はいくつものハイライトを作るパターンの動画にして。そうすれば企画の趣旨が伝わらなくなって、切り抜きや他サイトに「転売」されにくくなるんです。 佐久間:「なんでコムドットの動画はあんなに長いんだ?」って疑問に思っていたの。“切り抜かせない精神”で作れば、「転売」もされないしこの先も世界で生き残っていけると思ったからなんだ。