学習障害(LD)の子どもの「困りごと」を楽にしてあげる、ちょっとした工夫とは
「どうして読めないんだろう?」「なんで書けないんだろう?」と、悩んでいる子はたくさんいます。学習障害(LD)とは、発達障害の一つです。読み書 【前編】学習障害を本人やクラスメイトへ告知するときには きや算数といった、学習の特定の分野で困りごとが起こります。 LDの特性による困りごとは、アプローチのしかたで減らすことができます。勉強がうまくいかないのは、その方法が合っていないからです。つまり、自分自身に合った方法がわかれば、その子の学習・生活面の困りごとはずいぶんと減ります。 イラスト図解で基礎からわかるLD入門書『学習障害(LD)がわかる本 気づいて、支えるために』より、連載形式で基礎知識や、困りごとに合わせた工夫を紹介します。 今回は、「読み・書き」「計算」「聴く・話す」の困りごとをサポートする方法の一部を解説。 前編<学習障害の子どもを学びやすくサポートするためには? 本人やクラスメイトへの告知>
読みやすくする道具や事前準備で楽になる(「読み書き」をサポート)
読むことの苦手さには、音韻認識の弱さだけでなく、視覚系の機能障害なども関係していることがあります。これらの読みにくさは、道具によってサポートできることがあります。 例えば、リーディングルーラーは、どの行を読めばよいかはっきりわかるので、飛ばし読みを防げます。ほかにも「ふりがなをふる」「音節ごとに斜線を入れておく」といった工夫でも、文字は読みやすくなります。 また、家庭で教科書にふりがなをふるようにするなど、事前に準備しておくと、授業のときに困るのを減らせるようになります。 ■ピンポイントで読みやすく 文字を読みやすくするための道具は市販されています。家庭でも自作できます。 ■親子で準備するのもためになる 国語の授業ではよく音読があります。無理のない範囲で、家庭で事前に準備しておくと安心です。 (1)教科書の漢字にふりがなをふっておく 漢字が特に苦手な場合は、ふりがなをふっておく。このとき、正しい読み方・発音も練習する (2)単語や文節のまとまりごとに斜線やマーカーで印をつける 1文字ずつ読むなど、読み方がたどたどしい場合は、単語のまとまりや文を区切りがわかるように印をつける