意識の違い1つで、脳力はいくらでも伸びる。成績が上がったグループに教えられたのは、脳科学によって証明された事実だった
◆子どもたちに教えられた「あること」とは…… それは……「何か新しいことや難しいことを学習しようと、快適領域を超えるたびに、脳内のニューロンが新しい強い結合をつくる」という脳科学によって証明された事実でした。 つまり、快適領域を超え、新しいことや難しいことにチャレンジしようとすると、それに対応するために脳内のニューロンに新しい強い結合が起こって、脳のレベルが上がり、頭がよくなるということです。 これこそがまさに、ポテンシャル(潜在能力)が上がる瞬間です。 「チャレンジの習慣は、脳のポテンシャルを上げる」ということを知ったグループの子どもたちは、高いモチベーションを持って難しい問題に取り組むようになりました。 取り組み、チャレンジすれば、難しい問題でも解くことができるようになると知ったことで、彼らの脳のポテンシャルもどんどん上昇していったのです。 そして、これと同時にこのグループの子どもたちの心に育っていった信念。それが、人間はその才能自体も伸ばすことができるという信念だったのです。
◆「快適領域を超える」を習慣に さらに教授は、アメリカの学習成績最下位クラスの学校に、このニューロンの話を中心とした授業を展開しました。 その最下位クラスの学校の1つは、ブラックアメリカンを中心とするニューヨークのサウス・ブロンクス地区にありました。その学校の4年生の子どもたちは、最初はペンもまともに握れない状態だったといいます。 ところが、この授業を展開した1年後、なんとそのクラスがニューヨーク州の学校の中で、算数のテストの平均点が一番になるという快挙を成し遂げたのです。 また、学習という面でも恵まれた環境にいるとは言い難い、シアトルのアメリカ先住民居住区内にある学校の生徒たちは、シアトルにおいて最下位の成績が何年も続き、まわりの関係者をはじめ、それは変えようもない事実だと思い込んでいました。 ここで同じく、この授業を展開した1年半後、成績最下位から一躍トップに躍り出るという驚くべきことが起こったのです。 この話を聞いて、あなたはどう感じましたか? いいニュースは、本記事を読んで、このことを知ったみなさんは、あの成績が上昇していった子どもたちと同じ条件を、この瞬間にすでに得たということです。 快適領域を超えることを習慣化すれば、あなたの脳力は今からいくらでも伸びるという事実を知った今、何事にもチャレンジしない理由はありません。 さあ、これから快適領域を超える習慣をしっかり身に付けていくのは、いかがでしょうか。 ※本稿は、『改訂新版 自分を変える習慣力 コーチングのプロが教える、潜在意識を味方につける方法』(クロスメディア・パブリッシング)の一部を再編集したものです。
三浦将