面倒、見てくれるでしょ…年金月15万円・田舎で独り暮らしの〈82歳義母〉が〈55歳嫁〉の前で号泣。「老人ホームを探している」と言い出せず懺悔
実家にひとり暮らしは限界!?老人ホーム入居をひそかに進める3人の子
そうこうしているうちに、義母・妙子さんは足腰が弱くなり、歩行がおぼつかなくなっていったといいます。 ――そろそろ母さんをひとりにするのも限界では ――だからといって同居は難しい ――知らない土地に母さんを呼び寄せるのも負担がかかるし ――老人ホームに入ってもらうしかないのでは 施設への入居というのが、子どもたちの総意でした。その様子を外野として見ていた直美さん。「高齢者のひとり暮らしは大変だし……仕方がないのかな」と思いつつ、本人不在のところで話が進んでいくことに、どこか悲しさを覚えたといいます。 3人は「今度帰省するときに、ある程度候補を絞って母さんに知らせよう」ということに。妙子さんの年金は月15万円ほどで、月額費用はそれで賄えるのがベスト。亡くなった父の遺産が残っているのであれば1,000万円程度の入居一時金がある施設も候補になる。また一度も田舎を出たことがない妙子さん、できるだけ実家に近いほうが環境が変わらず安心だろう……色々と条件を出し合い、さらに問い合わせをして、希望すればすぐに入居可能な3施設をピックアップ。パンフレットなどを持って帰省をすることに。 まず和樹さんと直美さん夫婦が帰省。その翌日には、達也さん家族と里美さん家族も合流できるとか。直美さんが帰省した日の夜のこと。ふと、義母・妙子さんと2人きりになったタイミングがあったといいます。そのとき、おもむろに妙子さんが直美さんに話し始めます。 ――直美さんは、私の面倒、見てくれる? ――周りの人は施設を勧めるけど、他人とひとつ屋根の下に住むことに抵抗があって ――達也も、和樹も、里美も、みんな一緒には住みたくないと……避けるの ――もう誰も頼る人がいないの 話し終える頃には、声にならず号泣していた妙子さん。3人が老人ホームのパンフレットを持って帰ってくるとは、とてもいえない雰囲気が漂い、直美さんはただ「ごめんなさい」と心でつぶやくしかありませんでした。 今のところ、高齢者のひとり暮らしを不安視する親と子、問題の解決には至っていないといいます。 [参考資料] 内閣府『令和6年版高齢社会白書』