阪神“サトテル“今季12度目の完封負けでも「投げたらあかん!」…なぜ矢野監督は8回長坂に代走を送らなかったのか?
阪神は26日、悪天候の中甲子園球場で行われた楽天戦に0-1で敗れた。楽天先発の“天敵”岸孝之(37)に7回3安打無失点と抑えられ、阪神の先発、ジョー・ガンケル(30)も7回3安打無失点と踏ん張ったが、“守護神”の岩崎優(30)が9回二死一、三塁から代打の銀次(34)に決勝タイムリーを浴びて今季12度目の完封負けを喫した。
大リーガー筒香はDeNA時代に泥だらけになってもバットを守った
最後のバッターとなった佐藤は、楽天のクローザー松井裕がフルカウントから投じた152キロのストレートに空振りするとポーンとバットを放り投げた。 今季12試合目の完封負けがあまりに悔しかったのか。それとも全力を尽くし体の力が抜けたのか。佐藤は、手ぶらのまま敗戦ベンチへ下がった。 このシーンを見た、某球界大物OBからすぐさま連絡が入った。 「あれはやっちゃいけない。バットには野球の神様が宿っている。相手の投手にも失礼だし、“道具を大切にしなさい”と教えられている野球少年たちが見たら、どう思うのか。ましてや阪神の未来を背負っていかねばならない4番打者の行う所作ではない」 雨の甲子園。 思い出したのは5年前。同じく雨が降り泥だらけの甲子園で行われた阪神対横浜DeNAのクライマックスシリーズ・ファーストステージの第2戦で見せた、現在は、メジャーリーグ、パイレーツでプレーしている4番打者、筒香の姿だ。 3-3の同点で迎えた5回二死一塁だった。阪神の石崎が投じたストレートが顔付近にスッポ抜けた。筒香は、のけぞってかわしたが、泥沼のようになっていたグラウンドに足をとられて転倒したのだ。だが、ユニフォームが泥にまみれて真っ黒になりながらも筒香はバットだけは、地面について汚れないように守った。 結局、この打席で筒香は、ライト前ヒットでチャンスを広げ、宮崎の勝ち越し打を呼びこみ、1勝1敗の5分に持ち込み、第3戦にも勝ちファイナルステージ進出、そして日本シリーズ進出を決めている。その4番打者の姿と、この日の佐藤とはあまりに対照的だった。