阪神“サトテル“今季12度目の完封負けでも「投げたらあかん!」…なぜ矢野監督は8回長坂に代走を送らなかったのか?
打線の不振は、深刻を通り過ぎている。 この試合まで対阪神戦に19イニング連続無失点と“天敵”岸に緩急で揺さぶられ、1、4、5、6回で三者凡退。ゴロの山を築いた。 7回に先頭の大山が、変化球をうまくバットに乗せて、センターフェンス直撃の二塁打で、3回のガンケルの二塁打以来となる得点圏に走者を置いたが、4番の佐藤は、カウント3-0から、ポンと大きなカーブでストライクを取られ、ここから徹底した外角攻めをされた。内角が弱点だが、そのボールを使わず、外一辺倒で揺さぶりをかけられた。佐藤は、ここで軽打に切り替えた。 今季このクレバーさが結果につながっているのだが、チェンジアップにただ軽くバットを合わせただけになり、レフト正面へのライナーに終わった。3-0からのカーブの残像が残っていたのかもしれない。 続く糸井は一転、内角をストレートで攻められ、カウント1-0から難しいインローのボールに手を出しキャッチャーファウルフライ。糸原も1-1から、足元のボールに打席を動かされた。このボールが効いたのか、外角低めのバックドアというより、縦に変化するスライダーを叩きつけるだけのバッティングに終わり遊ゴロに倒れた。最後までベテラン岸の手のひらの上で転がされた。 0-0で迎えた9回には、いまひとつ調子が上がらない岩崎がつかまった。その腕の振りに合わせて、打者がタイミングを取っても、手元で伸びてきて打ち損じる独特のストレートが岩崎の特徴だが、そのボールにキレがない。二死一、三塁から、代打の打率が驚異の7割、6打点を誇る銀次を詰まらせたが、その打球は、逆方向のレフト前に落ちて、それが決勝点となった。 「自分が打てるボールを打っていこう。打てるボールがきたし、イメージ通りのバッティングができた。いい詰まりが久しぶりにできた」とは試合後の銀次。 詰まることまで計算にいれていた銀次のイメージを壊すまでのボールが岩崎にはなかった。 今日28日には、移動日なしで千葉へ移動して千葉ロッテの“完全男”の佐々木朗希と対戦する。最速164キロのストレートと147キロの高速スプリットをどう打ち崩すのか。攻略するには立ち上がりしかないだろう。バントや機動力を使っての仕掛けも必要になるが、守りで失点せずにプレッシャーをかけねばならない。阪神の先発は防御率1.78と安定感のあるウィルカーソン。佐々木朗希の“引き立て役”になるのは御免だ。 (文責・論スポ、スポーツタイムズ通信社)