連敗ストップの立浪竜が「ショートは高橋周か根尾か」の論争に終止符?!
中日が26日、バンテリンドームで行われた西武戦に6-3で勝利し連敗を7でストップした。ショートで緊急起用している高橋周平(28)を8番に下げるなど大幅に打線を改造して挑んだが、その高橋が猛打賞の2打点と大暴れ、4回には阿部寿樹(32)、木下拓哉(30)、高橋の3者連続タイムリーで先手を取るなど8試合ぶりの2桁安打で6点を奪い、守っては“5回限定”の松葉貴大(31)が、5回を90球5安打1失点3奪三振とゲームを作り継投で逃げ切った。空白のショートに投手起用で話題となった根尾昂(22)ではなく、打撃不振で守備に不安のある高橋を起用することに賛否はあったが、立浪采配がズバリ的中した。
8番降格の高橋周平が猛打賞&2打点の大爆発
“嵐の3連打”が青息吐息の立浪竜を蘇生させた。 0-0で迎えた4回。二死一、三塁から、阿部がカットボールに食らいつき、センター前へ先制タイムリーを落とすと、続く木下もストレートを引き付けてライト前へ。そして8番に降格した高橋も逆方向のレフト線へストレートを弾き返した。 「阿部さん、木下さんがつないでくれたので、なんとかいい流れに乗れました」 3者連続のタイムリーで3点を先取した。 全員がバットを短く持っていた。 7連敗を喫した前日の打線から6人をシャッフルした立浪監督は「ボールを長く見ること」を指示していたという。 中日でコーチを務めたこともある評論家の高代延博氏も、そのベンチワークを評価した。 「中日打線は阪神打線同様に点を取れないが、全体的にストレートに差し込まれる傾向にある。西武打線に比べると振りも鈍い。その対抗策としてバットを短く持たせて、ボールを引き付けることでボール球に手を出すことを減らし逆方向を狙わせたのだろう。チーム全体でやった戦略の成果だ」 高橋のバットが止まらない。 立浪監督は、6回に無死一、二塁で木下にバントで送らせた。“5回限定”の松葉からの継投策で逃げ切らねばならないゲーム。追加点は1点でも多く欲しい。 一死二、三塁のチャンスに高橋は、西武3番手の森脇から2打席連続となるセンター前タイムリーを打った。そして、さらに続く得点機に代打の福留が、26打席目にようやく今季初ヒットとなるタイムリー二塁打をライト線に運び、ベンチが盛り上がった。 試合後、お立ち台に指名された高橋は、8番に下がった悔しさがあったのか?と聞かれ、「いや」と否定。「悔しくはないんですけど、毎日、必死にやっています」と続けた。この日の試合前まで打率は.224。 「なかなか結果が出ないんですが、毎日、一生懸命やってきた成果が出たかなと思う」。そう胸を張った。 8年ぶりにショートを守ることになった高橋がタイムリーエラーなど守備でミスを続けていることもあり、「なぜ根尾でなく高橋なのか」との疑念の声がファンの間からは出ていた。だが、この日は、守備でもミスはなく、7回にはダブルプレーも成立させ、自らのバットで、その賛否の議論に終止符を打った。 それでも、試合前には先発の松葉にこう声をかけていたという。 「松葉さんはゴロ多いので先に謝っていました。(投手陣に)申し訳ないという気持ちで守っているんで、なんとか今日は頑張りました」