トランプ氏勝利 市場はトランプトレード進行 ダウ平均株価は史上最高値を更新/FRB 2会合連続で利下げ パウエル議長と関係悪化トランプ氏の「介入」懸念 舵取りに注目【Bizスクエア】
――インフレがどれくらい進行するかによると思うが、その背景にある財政赤字がものすごく大きくなると言われている。 慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏: やはり一番大きいのはトランプ氏が公約したように、輸入関税率を一律に10~20%。中国に60%というのを本当に適用すると、インフレ率が平常時では2%ぐらいのところを6%ぐらいになってくる。しかも大綱的に報復関税がされると、最高で9%ぐらいのインフレになると考えられている。それに非常に赤字が拡大してく。 ――10年間で7兆ドルなので、単純に割っても1年で7000億ドル以上。日本円にすると100兆円以上財政支出が増える。 慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏: これが政府のGDP比で見た比率で見ると、今アメリカ政府の借金はGDPで100%ぐらいだが、これが大体10年ぐらいかけると140%ぐらいになる。普通に考えるとそれだけ国債を発行していくので、長期金利が上がってくる。 ――そうすると直近で、FRBの利下げができなくて、下手したら利上げに転じなければいけない局面もあるかもしれない。 慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏: そのときにトランプ氏と対峙しなければいけなくなるので、関税率が引き上げられてインフレになることを抑えるために金利を上げなければならないときに、金利を下げたいトランプ氏が反対する姿勢をしたときに、FOMCの独立性がはっきり問われる。 ――FRBはインフレが落ち着いてきたから、金利を下げていこうということをやってきてソフトランディングすると思っていた。ところが、トランプ政権によってインフレが強くなってくると、逆のことをしなくてはいけなくなるのか。 慶應義塾大学 総合政策学部教授 白井さゆり氏: 今アメリカのインフレ率は消費者物価で2.1%まで下がった。ハリス氏だったら予見性が非常にわかりやすので、このままどんどん金利を下げていくことができたが、トランプ氏の政策は普通に考えるとインフレ的でより財政拡張的なので、長期金利が上がりやすくなると短期金利もそんなに下げられないことになる。そうするとむしろインフレになってくる。それからアメリカの賃金上昇率は4%。さらに経済が良くなったらもっとそれが販売価格に上乗せされるので、非常にインフレ的になりやすい。