なぜエンゼルスの“二刀流スター”大谷翔平は目覚めたのか…進化する打撃と2つのルール変更の追い風
2つのルール変更も大きい。一つは、ナ・リーグにも指名打者制が導入されたこと。今季、ナ・リーグの球場で行われる交流戦は10試合。先発すれば別だが、去年までであれば、代打で1打席しか立てなかった。しかし、「1番・指名打者」として出場するなら、1試合あたり、4打席は増える可能性がある。10試合で40打席近くになるので、打席増は物理的にも本塁打の数を重ねるのに有利になる。 そして“大谷ルール”。開幕戦のケースだと五回途中で降板したので、昨年までなら、2回しか打席に立てなかった。予想は難しいが、25回先発するとして、1試合あたり2回増えるなら、50打席。先ほどの数と合わせれば、100打席近くチャンスが増える。大谷自身は別の面でも後者によりメリットを感じているようで、「ありがたい」と素直に感想を漏らした。 「やっぱり(DHを)解除するのはなかなかリスクもある。起用される側としては、後半を意識することなく、やることに集中できる」 打席数増については机上論ではあるものの、技術的な進化に加え、ルール変更はメンタル面でもプラスが見込めるよう。 となると、怖いのはアクシデント的なケガだけ。それがなければ、大谷は投打で昨季を上回る数字を残しても不思議はない。 開幕直前、キャンプの始めに去年以上の成績を残せる自信があると話したが、それは変わらないか? と聞かれた大谷は、迷わず言った。 「自信は変わらないです」 (文責・丹羽政善/米国在住スポーツライター)