不振、手術を乗り越えて 原英莉花が日本一決定戦で涙の復活V【2023年大会プレーバック】
<日本女子オープン 事前情報◇24日◇大利根カントリークラブ 西コース(茨城県)◇6845ヤード・パー72> 原英莉花の貴重なスーツ姿【写真】 日本の“メジャーハンター”がついに復活した。福井県の芦原GC海Cで行われた2023年の「日本女子オープン」は、原英莉花が2年ぶりの通算5勝目を挙げる大会になった。 1打差の首位からスタートした最終日。2オンに成功した5番パー5では、3番ウッドで打ったセカンドをカップ左のピンハイにつけてイーグルパットを奪った。その後も2バーディを奪って「68」。実質一騎打ちとなった菊地絵理香を3打差で退け、20年大会に続く、2度目の日本一の称号を手に入れた。 一時はシード入りも危ぶまれるほどの不振に陥ったのがこの年だった。そんな苦しい時期を思い返し、「シードが…普通の状態なのに取れないかもと思っていた夏場は、つらかったです」。優勝会見ではそう言葉を振り絞り、涙を流した。 23年5月には持病として苦しめられてきたヘルニアの摘出手術も受けていた。手術後はリハビリの日々。「(今後)本当にゴルフができるのかとも考えました」。不安と戦う毎日だったが、ようやく8月の復帰戦「北海道meijiカップ」直前に、思い切りスイングができるまでになった。 そして復帰8戦目となった日本女子オープンで、公式戦通算3勝目。不振、手術を乗り越えて得た勝利は大きな価値がある。「復帰戦からワクワクしていました。日々練習できることもうれしいですし、腕を磨けずに試合に挑んでいたもどかしい時期を越えて、今は納得して試合に出られる。子供の頃に戻った気分です」。 24歳228日でのメジャー3勝は、畑岡奈紗、諸見里しのぶ、樋口久子に続く史上4番目の年少記録だ。「長かった。でも今は戦い抜いたという気持ちが強い」。原はこの翌週、米国女子ツアー出場権をかけた予選会に出場するため渡米。日本一の称号は、海外進出への思いをより強くするものでもあった。