マートン最速1000安打でも来季の去就問題は凍結!
阪神のマット・マートン外野手(33)が3日、甲子園で行われた広島戦の1回1死三塁の先制機の場面で、広島の先発、福井から、センター前にタイムリーヒットを放ち、来日通算1000本安打を達成した。シーズン6年目の1000安打到達は、年間130試合だった時代と試合数の違いこそあれど、NPB最速となるスピード記録。 この日はゴメスの不振に伴い、打線が入れ替えられマートンは3番、福留が阪神移籍後初めての4番に入っていた。マートンは、第1、第2打席に続き、7回にも2-1の追加点が欲しい二死満塁のチャンスに左中間に走者一掃のタイムリーツーベース。試合後は、お立ち台に呼ばれ「満塁の場面はセンター方向を狙って前にさえ打てば、なんとかなると思った。1000本安打が打てたのは、真弓監督、和田監督が、これだけ長い間、使ってもらったおかげ。支えてくれたチーム関係者や家族、妻に感謝したい」とコメントを残した。 球史に名を連ねるヒットメーカーとはなったが、今季は、チャンスに弱く(得点圏打率・239)、序盤には、極度のスランプに陥り、緩慢な守備や走塁でチームの足を引っ張るケースも目立つ。 阪神DCで評論家の掛布雅之氏も、「右打者で、これだけの数字を残す技術は評価できる。極端に言えば、グリップをヘソに落とすくらいに、ボールを捉えるポイントにバットが縦に最短距離で直線的に入っていく。そういうバッティング技術を持っているので、必然、ポイントが体に近くなり、ボールの見極めもでき多くの外国人が戸惑うことになる日本人投手の変化球への対応力が生まれた。通常、外国人には長打を求めるが、来日当時、ブラゼルがいるなど(2010年には47本塁打)、長打を狙いバッティングを崩すリスクのなかったチーム状況にも助けられたのだろう」とした上で、「だが、守備と走塁を含め、チームへのトータルでの貢献度を考えると、いくらヒットを打っても、プラス、マイナスでゼロではないか。ボールを追う姿勢させ見せないときもある。守り勝たねばならないチームの特徴とピッチャーの心理を考えると、最速1000本の記録を手放しで評価することはできないだろう」と、手厳しい意見を口にしている。 マートンは、今オフで契約が切れるが、阪神は残留オファーを出すか、それとも、このまま、契約を更新せずにリリースするかの方針をまだ決めかねている。