アポ電犯罪、架空請求、投資広告詐欺…ひとり暮らし女性こそ心得たい「防犯10ヵ条」詐欺にあわないために、一番大切なことは
◆ひとりで判断せず家族、友人に相談する 詐欺の被害にあうと、大切なお金が返ってくることはまずありません。詐欺救済法により、犯人が捕まれば、本人の口座は凍結、被害弁償にまわされますが、詐欺犯も複数の口座にお金を分散させるなど、策を講じていることがほとんど。 返ってきたとしてもほんのわずか、というケースが一般的です。ですから、大前提として詐欺に引っかからないことが重要。世の中の犯罪には防げないものもありますが、詐欺は対策をすれば防ぐことができます。 ここからは、具体的にどう防ぐのかについてお伝えしましょう。基本は、入り口で撃退すること。その1つは電話です。知らない番号からの電話には出ないこと。もし出てしまったとしても、相手が電話でお金の話をしてきたら詐欺を疑いましょう。 警察官や役所の職員を名乗り、「還付金が受け取れますよ」などとおいしい話をしてきても、「あとで折り返します」と言っていったん電話を切る。そして、改めて自分から役所などに確認しましょう。 2つ目は、家の玄関。知らない人が訪ねてきたら、気軽にドアを開けないこと。インターホン越しに話し、「結構です」「家族に聞いてみます」と対話を終えましょう。 3つ目の入り口は、メールやSNS。普段何気なく使っているツールから詐欺の魔の手が伸びてくるのが、現代社会の怖いところです。 投資詐欺にあったのは、フェイスブックやインスタグラムなどのSNSに出ている広告を見てクリックしたのが始まり、というケースが多いのです。SNSの広告は、多額の広告料を出せば上位に表示される仕組みになっています。 日々目にする広告が本物かどうかよく確かめること。会社や事業が実在しているかなどを調べるようにしましょう。怪しい場合はURLをクリックしない、万一開けてしまった場合でも誘導にのらないことです。
そもそも、なぜ個人宛に電話がかかってきたり、メールが届いたりするのか――。キャッシュレス化が進む現代は、QRコードやクレジットカード決済が普及し、登録や契約の際に、住所、年齢、電話番号、クレジットカード番号などの個人情報を入力する機会が増えました。実はこうした個人情報が知らないうちに流出しているのです。 詐欺電話やメールが頻繁にくるのは、そのため。情報は漏れていると認識したうえで、対策をとることが大事です。 インターネット上でクレジットカードの番号やパスワードを盗まれることもあります。ネット通販などお金が絡むものは、すべて2段階認証を設定しておくようにしましょう。もしパスワードが盗まれても、アクセスするにはもう一つの認証が必要となり、不正利用を防ぐことに繋がります。 そして何よりの防壁が、家族、友人、ご近所など、気軽に相談できる人たち。詐欺電話や架空請求のメールがきて動揺すると、冷静に判断できなくなり、詐欺犯の思うツボの行動をしがち。 追い詰められたときこそ自分ひとりで判断せず、身近な人に相談する。普段からコミュニケーションをとり、詐欺の情報を共有できる関係を築いておくと心強いでしょう。 (構成=村瀬素子)
京師美佳
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