アポ電犯罪、架空請求、投資広告詐欺…ひとり暮らし女性こそ心得たい「防犯10ヵ条」詐欺にあわないために、一番大切なことは
高齢者を狙った強盗や投資詐欺などのニュースが話題になる昨今、いつ自分が標的になるかわかりません。狙われない、被害にあわないために、日頃から準備できることを伝授します(構成=村瀬素子 イラスト=高橋ポルチーナ) 【表】ひとり暮らし女性こそ、心得たい「防犯10ヵ条」 * * * * * * * ◆調査やアンケートにうっかり答えたら 警察庁や金融機関が注意を呼びかけているにもかかわらず、いっこうに減らない詐欺被害。加えて、近年は凶悪な強盗事件が各地で起きています。 こうした犯罪のターゲットになりやすいのが、シニア女性です。その理由は、高齢の女性は一般的に抵抗する力が弱く、心根が優しくて人を信じやすい。また、在宅時間が長く、デジタルに疎くてセキュリティが甘い傾向があるからです。 「私は大丈夫。〈オレオレ〉という孫の声ぐらい判別できるわ」と思う方もいらっしゃるでしょう。しかしオレオレ詐欺など、一つの手口が世の中に知れ渡ると、さらに巧妙な方法を考えるのが詐欺師の特徴。 ですから、日々進化する詐欺や強盗から身を守るために、私たちの知識と対策も常に更新していかなければなりません。そこで、現在日本で横行している犯罪の手口やその対策について、最新情報を交えてお伝えしていきましょう。 近年増えているのが、事前に電話をかけて情報を得る「アポ電」犯罪です。例えば「国勢調査」を装い、「ご家族は何人? 年齢は? 資産は? 在宅時間は?」と根ほり葉ほり個人情報を聞き出す。その情報をもとにターゲットを物色し、空き巣や強盗に入る、もしくは詐欺を仕掛けてくるのです。
そのほかに詐欺の典型的な手口として、行政や警察など公的機関を名乗って接触してくるパターンがあります。警察を名乗る人物から、「あなたの口座が悪用されました。このままではあなたも犯罪者として取り調べの対象になる。捜査のためキャッシュカードが必要です。係の者がこれから伺います」と電話がかかってくる。 突然そんなことを言われたら、気が動転してしまいますよね。そこにつけ込み、電話の直後にニセの制服を着た警察官がやってくるという巧妙さです。すっかり信じて、言われるままカードを渡し、暗証番号を伝えてしまったという被害が本当に多い。ほかに銀行員、弁護士など複数の人物が登場するケースもあります。 また、今や生活必需品となったスマホのメールを使った「フィッシング」や「架空請求」の詐欺も横行しています。 例えば電力会社を装い「電気料金が未払いです。明日までに3万円振り込まないと電気を止めます」とメールを送り、そこに記載されたURLをクリックさせて、クレジットカード番号の入力へと導く。ショートメールのメッセージであれば詐欺だと気づく人も多いのですが、メールアドレスに届くケースも増えているので注意が必要です。 さらに最近話題になっているのが、「SNSでの投資広告」詐欺。堀江貴文さんなど著名人になりすまし、動画などで投資を呼びかけるというものです。 この動画はディープフェイクと呼ばれ、AIを使って本人の映像や音声を加工し、本物のように作った偽物。言葉巧みにLINEグループに誘導し、サクラと呼ばれる偽物の客からの「おかげで200万円増えました」などというコメントを見せる仕組みになっています。 そのうえで、追い打ちをかけるように「今月中に投資しないと乗り遅れます」などと急かし、何百万、何千万という金額を振り込ませる、といった被害が続出しているのです。
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