日産 セレナ オーテック スポーツスペックは走り好きにもファミリー層にも推したいスポーツミニバンだ【試乗記】
果たしてセレナ スポーツスペックは高いのか、お買い得なのか?
ちなみに、セレナ スポーツスペックのボディにはスポット溶接の打ち増しなどの強化は施されていません。これについて開発者に訪ねたところ、現行型(C28型)の標準車は先代(C27型)よりもスポット溶接の箇所は増やされていて、ボディについてはこれ以上の打ち増しなどによる剛性アップは必要なかった、とのことでした。 また、走行モードはセレナ スポーツスペック専用のチューンとなっています。アクセルレスポンスは標準車と比べると「Eco」モードはほぼ同じ、「Standard」モードは標準車の「Sport」よりも少し緩やかに、「Sport」モードは標準車よりも機敏に反応するセッティングに変更されています。 この効果はてきめんで、「Standard」モードでは標準よりも明らかに加速が鋭く、60km/hに達するまでの時間も短く感じました。「Sport」モードではアクセルペダルを踏んだ瞬間に「ガンッ」と加速していく印象です。低速域での反応はちょっとナーバスですが、中速域での微妙なスピードコントロールはしやすいと感じました。とくにカメラカーと並走しての撮影時に速度を細かく調整するシーンではとくにこれを実感しました。 走りに関しては標準車を上まわっているセレナ スポーツスペックですが、その価格は438万6800円で、セレナの2WD車では2番目に高いモデルとなります(最高額グレードはルキシオンの484万7700円)。ですが、そのチューニング内容を見るとかなり多岐にわたっています。またセレナ スポーツスペックに施されているチューニング内容をセレナ オーテックに後から付け加えようとすれば車両本体価格の差額である18万7000円では収まらないはず。そう考えるとお買い得と言えそうです。 また、下取り価格やセカンド市場での流通価格がオーテック車両は高い傾向にあり、残価設定クレジットで購入する場合の残価率も高めに設定されているとのこと。こういったことからも、お財布事情に敏感なファミリー層にもオススメできるミニバンと言えそうです。 (写真:井上雅行)