日産 セレナ オーテック スポーツスペックは走り好きにもファミリー層にも推したいスポーツミニバンだ【試乗記】
ルックスは意外なほどエレガントでオトナっぽさが漂う
日産は2024年2024年12月、セレナ AUTECH SPORTS SPECとノート オーラ AUTECH SPORTS SPECという2台のカスタマイズモデルを発売しました。今回はテストコースでのセレナ AUTECH SPORTS SPEC(以下、セレナ オーテック スポーツスペック)の試乗レポートを交えつつ、その実力をご紹介していきます。 【写真はこちら】アウトドア志向のユーザーや多いや幼い子どもがいるファミリー層が嬉しいポイントとは?(全19枚) 試乗会場に用意されたセレナ オーテック スポーツスペックのボディカラーは鮮やかなブルーとルーフとピラーはブラックの2トーンカラーです。このカラーリングの正式名は「カスピアンブルー(M)/ダイヤモンドブラック(P) 2トーン」で、カスピアンブルーはオーテックの本拠地である神奈川県茅ヶ崎市に近い湘南の海をイメージした、オーテックモデルの専用カラーです。 そんなブルーに対して、さざ波をイメージしたドット柄のフロントグリル、車体下部をぐるりと囲む前後とサイドのアンダースポイラー、海中に差し込む光をイメージした専用アルミホイールなど、クローム仕上げの専用パーツが映えます。 一方、車内にも注目すべき点があります。シート座面と背面はさざ波を連想させる立体的なエンボス加工が施され、フロントシートには「AUTECH」ロゴの刺繍が施されています。また、フロントシートと2列目シートには青いアクセントとステッチも入ります。 ちなみにシート表皮は耐久性と耐水性を兼ね備え、手入れも簡単なブラックのレザレットとなります。アウトドアシーンでクルマを使うことが多いユーザーや多いや幼い子どもがいるファミリー層には嬉しいポイントではないでしょうか? ちなみにシートアレンジや収納スペース、リアハッチのガラス部分が開閉するデュアルバックドアなど、使い勝手に関係する機能面は標準車と同じです。
走り出して驚いた静粛性の高さとスポーティな走り
セレナ オーテック スポーツスペックの開発コンセプトは「蒼海の息吹をまとった 堂々クルージングミニバン」。気持ちよく走れて、ロングクルーズもこなせるワンランク上のミニバンを目指したといいます。 走り出して思ったのは車内が静かだということです。試乗会場は神奈川県横須賀市にある日産のテストコース「GRANDRIVE (グランドライブ)」で、路面の状態は一般道よりも良いのですが、標準装着されるタイヤはミシュラン パイロットスポーツ5(サイズは215/55ZR17)というスポーツ志向の銘柄です。 開発陣の説明によるとこのタイヤを履くことによって懸念される騒音への対策として、フロントガラスは標準車にも用いられている遮音性が高いガラスを、前席サイドウインドウにはセレナの最上級グレードである「LUXION(ルキシオン)」に装備されている遮音ガラスを採用して静粛性を高めたといいます。その効果が表れているようです。 コーナーでは適度にロールはするのですが、決して怖さを感じるようなロールの大きさではありません。また高速走行セクションでは約100㎞/hでレーンチェンジを繰り返してみてもクルマの挙動の乱れは少なく揺れもすぐに収束。車両の直進性が高まっていると感じました。乗員の頭の揺れが少なく、これであれば家族を乗せても車酔いを訴えることはないだろうと思いました。 この落ち着いた走りは、車体にクロスバーとパフォーマンスダンパーを追加してボディとシャシを強化し、同時に足まわりを専用チューニングとしたこと、電動パワーステアリングのセッティングを重めにしたことなどによりもたらされる恩恵なのです。このパフォーマンスダンパーは、さまざまな硬さの10数本を用意しその中から最適なモノを選んだといいます。また、取り付け位置も試行錯誤を繰り返して決定したそうです。