阪神ドラ1・伊原は背番「18」に内定 球団左腕では67年ぶり2人目、“長寿投手”として歴史に名を残す
阪神のドラフト1位・伊原陵人投手(24=NTT西日本)の背番号が「18」に内定したことが2日、分かった。球団の左投手が、日本球界のエースナンバーを背負うのは、1958年の井崎勤也以来67年ぶり2人目となる。前例が少ないだけに、目標に掲げる「長寿投手」を実現できれば、球団史に名を残すサウスポーとなる。 小さなエース誕生の予感だ。球団がドラフト1位・伊原に、背番号18を用意していることが判明した。1メートル70の小兵ながら、最速149キロの威力ある直球を武器にして変化球も多彩。ゲームメーク能力にも優れる。即戦力の期待がかかる男にふさわしい番号だ。 日本球界のエースナンバーといえる18は、球団では17年ドラフト1位の馬場が現役ドラフトで巨人に移籍した23年まで付け、今季は空位になっていた。歴史をひもとけば、球団創成期の猛虎のエースで、社会貢献に熱心だった若林忠志が初代。野田浩司、藪恵市らが受け継ぎ、16年には藤川監督も1年だけ背負った。伊原が21代目。不思議なことに、猛虎では左腕投手に縁が薄い番号で、56~58年まで付けた井崎(後に前岡)を最後に出ていなかった。来季、実に67年ぶり2人目の「18番のサウスポー」が誕生することになる。 11月19日に出身地の奈良県橿原市を表敬訪問した際に、「1年でダメだったらクビになると思っている。即戦力というのもある。年齢的にも他の高校生と違う」と初年度からの活躍を誓った。一年一年の積み重ねの先に、25年の現役生活で通算172勝を挙げた同郷の偉大な先輩で、現役時代に18を背負ったDeNA・三浦監督のような長寿投手を夢見ている。「毎年一生懸命やった結果が、多分、20年とかにつながっていると思う。10年やろうと思ってやっている選手はいないと思う」。球団の左腕で18を付けた投手が2人目となる以上、長きにわたるプロでの生活は、必然的にこの番号が自分色に染まることになる。 11月14日に仮契約を終え、契約金1億円プラス出来高3000万円、年俸1600万円でサインした。目前に迫ったプロ生活へ向け、今は「自分のレベルアップだったり、ケガをしないコンディションづくりも大事になってくると思うので、引き続き継続して練習したい」と意識の高さを口にしていた。春季キャンプ、オープン戦でアピールして、開幕ローテーションに食い込むイメージはできている。球団創設90周年で、ユニホームが一新される来季。甲子園のマウンドで背番号18が躍動しそうだ。 ◇伊原 陵人(いはら・たかと)2000年(平12)8月7日生まれ、奈良県橿原市出身の24歳。小1から晩成フレンズで野球を始め、主に投手。八木中では軟式野球部。智弁学園では2年春から背番号11でベンチ入りし2年秋から背番号1。3年春に甲子園出場。大商大では2年秋に最優秀投手、3年春に最多勝、最優秀防御率でベストナインを受賞。NTT西日本では2年連続で都市対抗出場。1メートル70、77キロ。左投げ左打ち。 ≪勝ち星を挙げれば球団左腕では初≫ ○…阪神の背番号18を左投手が付けるのは1956~58年の井崎勤也以来、67年ぶり2人目。井崎は3年間で勝利がなく、伊原が勝ち星を挙げると球団左腕では初めてになる。阪神の18番が期間中に挙げた勝利の最多は若林忠志の103勝。