風間監督解任でも名古屋グランパスに残る不安
2シーズン連続でJ1の残留争いに巻き込まれている名古屋グランパスは23日、指揮を執って3年目になる風間八宏監督(57)との契約を解除すると発表した。後任にはFC東京とサガン鳥栖で指揮を執った、イタリア人のマッシモ・フィッカデンティ監督(51)が就任することも合わせて発表された。 風間監督はグランパスがクラブ史上初となるJ2降格を喫した、2016シーズンのオフに就任。J1昇格プレーオフを勝ち抜いて1年でのJ1復帰を達成し、昨シーズンも序盤に8連敗、夏場からは7連勝をマークする好不調の激しい軌跡を描きながら、最終節で何とかJ1残留を果たした。 迎えた今シーズンは開幕から3連勝をマーク。一時は首位に立ったものの、浦和レッズに2-0で勝利した5月12日の明治安田生命J1リーグ第11節を境に急ブレーキがかかる。以降の15試合でわずか1勝しかあげられず、引き分けは5を、黒星は9を数える泥沼にはまり込んでしまった。 残り試合が8となった段階で、グランパスは11位につけている。しかし、9位のヴィッセル神戸から15位のレッズまでの7チームが、勝ち点わずか1ポイント内にひしめき合う大混戦になっていることに加えて、J1参入プレーオフに回る16位のサガン鳥栖とも4ポイントしか離れていない。 直近のリーグ戦で3連敗を喫している状況も踏まえて、解任という大ナタが振るわれた。指揮官交代を受けて、グランパスの公式HPには親会社のトヨタ自動車で長く広報を担当し、風間監督とほぼ同時期に代表取締役社長に就任した小西工己氏による、前指揮官への感謝のコメントが掲載されている。 「『攻守一体の攻撃サッカー』を掲げ、『技術』で相手を圧倒できるチームを創り上げるべく、熱心に指導にあたっていただき、私自身もチームの進化と新しい名古屋の風を肌で感じてきました」 小西社長が言及した「『技術』で相手を圧倒できるチーム」は、今シーズンの戦いで幾度となく顔をのぞかせている。現時点で最後の白星となっている、J1を連覇している風間監督の古巣・川崎フロンターレに3-0で快勝した、8月10日の明治安田生命J1リーグ第22節は象徴的な一戦となる。