米国経済のスローダウンによって米国株式市場のけん引役が交代へ ~「クオリティ」がパフォーマンスを左右する~
しかし、今後は、市場のけん引役が変わっていくと考えています。「M7」への集中から、徐々に物色対象が「M7」以外の銘柄に広がっていくことになるでしょう。それは、企業業績の見通しからも予測されることです。「M7」と「M7以外のS&P500採用銘柄」のEPS成長率の水準を振り返ると、2023年までは「M7」のEPS成長率が圧倒的に高く、「M7以外」はほぼ横ばいという状況でした。その状態は、2024年前半までは続く見込みですが、2024年後半から2025年にかけては、「M7」と「M7以外」のEPS成長率が拮抗してくる見通しです。「M7」の業績が悪くなるということではないのですが、前の期の業績が良過ぎると、それを超えてさらに業績を伸ばすことは難しくなるのです。 「M7以外」からけん引役として浮上してくるのは、「クオリティ」の高い企業になるとみています。継続的にしっかりと利益を出している企業で、借入金が少なく、バランスシートの良い企業です。今後、景気が鈍化するようなことがあってもキャッシュフローを生み出し続けることができる実力のある企業のなかには、「M7」の陰に隠れて割安になっているものもあります。そのような企業が見直される展開と考えています。
「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」と「アライアンス・バーンスタイン・米国割安株投信」では、組み入れる銘柄を最終的に決定する際に、「グロース」という企業の成長性を重視するのか、あるいは、「バリュー」という割安であることを重視するのかという点で具体的な組み入れ銘柄が変わってきますが、両戦略ともに、投資対象となる銘柄群は、ビジネスの「クオリティ」が優れているかをみて厳選された銘柄から選んでいます。具体的には、「グロース」では企業の収益性に加え、成長が持続的に期待できる企業を、「バリュー」では収益性の指標としてフリーキャッシュフローが多く生み出している企業を見極めます。