3代目メルセデス・ベンツCクラスは後期型へのマイナーチェンジで一気に熟成が進められた【10年ひと昔の新車】
質感が向上したインパネ、モニターも固定式に変更
コードネームW204 3代目メルセデス・ベンツCクラスは、2011年3月にドイツ本国でマイナーチェンジが発表され、内外装の変更や装備の充実など2000カ所以上に手が加えられて登場した。Motor Magazine誌はスペイン領カナリア諸島で行われたその国際試乗会に参加、日本上陸(2011年5月)を前にチェックしている。今回はその時の模様を振り返ってみよう。タイトル写真はC250 BlueEFFICIENCY エレガンス。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2011年5月号より) 【写真はこちら】C250 BlueEFFICIENCY アバンギャルド。マスコットをフード上に立てるエレガンスに対して、アバンギャルドはフロントグリルグリル内にスリーポインテッドスターを埋め込んでいる。(全5枚)
コードネームW204の現行3代目メルセデス・ベンツCクラスは、2007年6月に日本に上陸した。すでに4年が経過しているわけで、グリル内にスリーポインテッドスターを埋め込んだアバンギャルド、マスコットをフード上に立てるエレガンスとも随分と見かける機会が増えた。 何を隠そう、僕もそのステーションワゴンであるS204を2009年から乗っているので、まあいずれはフェイスリフトが行われるものと覚悟はしていたが、2000カ所以上も新しくされた今回のマイナーチェンジは、ちょっとショックが大きかった。 何よりも目立つのは、まずフロントマスクだ。眉毛のように見える半透明の上面を特徴としていたヘッドライトは、全体がクリアで軽くL字型を描く形状に改められ、これに伴い材質をアルミに換えたボンネットフードもプレスラインの変更を受けている。ライト下部に並んだLEDは点灯時のみ黄色いウインカーとして機能。デイタイムドライビングライトはバンパー下側左右に配された白色LED。ロアグリルの開口部も大きくなり精悍さを増した。 もっと衝撃的なのはインテリアである。一番の違いはナビゲーションシステムのモニターがスイッチオンと共に迫り出してくるポップアップ式から固定式になったこと。これはインパネ全体を作り替える大改革で、ダッシュボード上面はシボ模様が深く、樹脂面もしっとりとした質感を帯びる新デザインとなった。 操作/視認系の大まかなレイアウトは変わらないものの、アバンギャルドはシルバーパネル、エレガンスはマット調の木目となるトリムは面積を増やしているし、空調吹き出し口、オーディオパネルなどもデザインが一新され、ハザードやシートヒーターなどの機能スイッチはシルバーになっている。またよく見ると空調調節やCOMANDDシステムなどのダイヤルリングといった細部も新しくなり、操作感も向上している。 さらに、速度計の中に表示されるマルチインフォメーションディスプレイはフルカラー液晶化され、ステアリングホイールも3本スポークで一部にシルバー加飾の入った精悍なデザインとなり、ステアスイッチも丸形から角形に変更されている。 唯一、従来のポップアップ式モニターは画面が近く、その作動感もスムーズで、今回の固定式よりも見やすいし楽しいと感じたが、それ以外はすべてが新しく、しかも質感/デザインとも格段に洗練された。とくに樹脂部分の質感向上は著しく、Cクラスを所有する喜びがさらに増したと言って良いと思う。