猫ひろしは、2年後のリオ五輪に出場できるのか?
2011年にカンボジア国籍を取得。一度はロンドン五輪代表に選ばれたものの、国際陸上連盟から「過去に国際競技会での代表経験がない」ことや、「ロンドン五輪の時点で国籍取得から1年未満かつ連続1年以上の居住実績がない」ことから参加資格を満たしていないとされ、ロンドン五輪出場を逃した。しかし、執念でマラソントレーニングを継続。2013年の東南アジア大会4位などの結果が評価されたことで今回のアジア大会にたどり着いた。 最終目標のリオデジャネイロ五輪へ。今大会も含め、「国際競技会での代表経験」は満たされている。国籍取得からの年数もOK。仮に居住実績がまだクリアされていないようであっても、まだ時間はある。 前回は、北京オリンピックでカンボジア代表だったヘム・ブンティンを差し置いて代表に選ばれるという流れも反感を買った。しかし、今回も含めてブンティンには連勝している。 問題は、国際陸連が決めるリオ五輪の参加標準記録(ロンドン五輪の際はA標準2時間15分00秒以内、B標準2時間18分00秒以内)を上回れるか。現実的に37歳の猫が今後10分以上自己ベストを縮めるのは困難だろう。ただし、五輪ではカンボジアでB標準を突破する選手がいない場合は1人だけエントリーできるという特例がリオでも適用されれば、猫がこの枠でリオ切符を手にする可能性はある。 まずは記録を縮めること。そして国内で常に1位になること。猫のリオへの道は最低限そこがスタートラインということになりそうだ。 (文責・矢内由美子/スポーツライター)