猫ひろしは、2年後のリオ五輪に出場できるのか?
カンボジアという国を代表して走ることへの責任感や、プレッシャーを乗り越えて完走したことにも充実感がある。 「代表に選ばれてからも、練習期間にケガをしたりとか、何があるか分からないと思っていた。僕は(国内選考で)一番良い成績を取っていたので代表に選ばれたのは当然だと思っているが、やはりそこで負けた選手もいる。その選手たちや選んでくれた人に恩返しするにはきちっとゴールすることしかない。だから競技場に入ってきたときはうれしかった。ゴールできたのが何より良かった」と胸を張る。 今大会には猫のほかにもう一人カンボジアから国内最高記録(2時間23分29秒)保持者で北京五輪代表のヘム・ブンティンも出ていたが、こちらは途中棄権。猫は自動的に国内最高成績という結果も手にした。「カンボジア1位を死守したのは良かった」と、これにも安堵の表情を浮かべる。 芸人として以上に注目を浴び、失敗レースとはいえ、少なからぬ達成感を手にしたことで猫は「次の目標として、まずはリオを狙う」と、あらためてリオ五輪挑戦を宣言した。 暑いカンボジアで走り込んでいることで、酷暑が予想される東京五輪も視野に入れているのかと思いきや、さすがにそれは否定。「東京五輪のころは僕は43歳なので、(動物の)猫だったら3回くらい死んでいる。だから東京までは考えていない。まずはリオです」と、2016年に向けて力を込める。 「今日走ってみて、マラソンは奥が深いと感じた。練習をすごく積んで、タイムも出ていたので、自己ベストを出せると思っていたのだが、難しい。でも挑戦して良かった。経験して良かった」と感慨深げな猫。今後は年齢(37歳)を考慮し、「練習だけを考えるのではなく、疲労を取るとか、栄養を取るとか、もっと緻密にやっていきたい」とトレーニングプランの改造も視野に入れていることを明かした。 芸人としての仕事もこなしながら、年に2、3レースに出ながら、次はアジア大会で達成できなかった自己ベストを更新したいと、早くも次のレースを見つめた。 「今回は本当にタイムが悪かったから、そこはシビアに考えている。一度リセットして、必ずリベンジしたい。そこはきちっと達成しますよ」