“毎日売買”よりも効く…50年間市場を生き抜いてきた85歳・現役投資家が「ハプニングを待つ」ことが成功への近道と語る理由
大切なのは「身の丈」を守ること
政治経済、海外の動向は、金利や株価の変動に結び付きます。お金に関する変動は全て、経済、外交、軍事などと深くかかわっており、見逃すことは出来ません。 歴史を紐解けば、日本が第二次世界大戦に負けたときは、「軍票」といわれた貨幣が大きく価値を変動させました。バブル崩壊の時は、大手の銀行や証券会社が倒産し、バブルが弾けて、株価や不動産が暴落しました。これにより、倒産した企業に勤めていた人はもちろんのこと、お金を借りて不動産に投資していた人は、不動産の価格が借入額よりも大きく値下がりし、負債を抱えて破産しました。日本全国に、破産者が続出したのです。 倒産しなかった銀行は、自らの貸し出しの相手が破産したので、貸し出した金額を損切りして、対応しました。このように、経済が変動すると、その煽りで、多くの人が地獄を見るのです。 お金の価値や資産価値というのは、その時の経済のバランスで大きく変動します。いま、東京には世界中の資金が流れ込み、株価が上がり、ファミリーマンションが高騰していますが、世界経済がおかしくなれば、ミニバブルの崩壊で、価格が大きく変動します。そうなると、多額のローンを借りて、マイホームを手に入れた夫婦などは、借金地獄に陥りかねません。 注視したいのは「上がるから買う、買うから上がる」という流れが逆回転した場合のことを考えて、目の前の状況を見ておかなければならないのです。考えてみても、年収1,000万円未満の人や夫婦が、1億円、2億円のローンを組んで、買うのは自殺行為です。生身の人間、いついかなる問題が起こり、返済不能の事態にならないとも限りません。 いまは賃貸という方法もあるので、敢えて多額の借金を抱えて、不動産資産を求め、新NISAに投資する必要はありません。大切なことは、「身の丈」を守ることです。 多額の負債を抱え、病気にもなれない、旅もできないというがんじがらめの生き方はやめにしましょう。地道に、慌てないで、可能な範囲で、無理しない生き方、お金の借り方をしたいものです。 石井 勝利 投資家 経済評論家
石井 勝利
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