やっぱりトラブルだらけでムリだったか! エニカのサービス終了で「個人間カーシェア」はほぼ絶滅
●まとめ:2024年の大晦日にエニカのサービスが終了。それはつまり……
じつは筆者も1度だけ個人カーシェアを利用したことがあります。オーナーさんに指定された待ち合わせ場所に向かい、クルマの扱い方を教えていただき、ドライブに出掛けました。 何しろ個人所有車です。壊してしまったり、傷つけてしまったら申し訳ないという緊張感が半端なかったことを覚えています。保険を使えばもとの状態に近づけることはできますが、オーナーさんの心情はもとどおりにはなりません。結局、事情を伝えて数時間で返却しました。 本来であれば触れることさえ許されないような憧れのクルマや、実際に購入する前に「お試しで」乗ってみたいクルマなどなど。通常のレンタカーではなかなか設定がないクルマが借りられるのも個人間カーシェアの大きな魅力ではあります。 しかし、貸す側にとっては愛車を使っていないときに貸し出すことで副収入が得られるメリットがあるいっぽうで、借りる側のモラルが大きく問われるサービスでもあります。借りパクどころか、そのまま売却してしまうような悪質なケースも実際に起こったのです。 また、運営側がすべてのトラブルに対処するにも限界があります。トラブルが起こるたびに「こんなことが起こりうるのか」と、都度、対処せざるを得ない側面もあったはず。そして、運営する以上、これは避けてとおれない事象なのです。 2024年の大晦日に大手であったエニカのサービスが終了することは、同時に「個人間カーシェア」というビジネスモデルが終わることを意味するのかもしれません。
松村 透