追いだきvsたし湯、どっちが節約? 配管汚れはいつ掃除する?
気温が下がり、冷え込む季節となりました。体を温めるために、夏よりもお湯に浸かる回数が増えた人も多いことでしょう。 【画像】コロナのエコキュート「CHP-E37LUX1」 家族で順番に入浴する場合など、お湯はりから時間が経つとどうしてもお湯が冷めてしまいます。そんなとき、「追いだき」と「たし湯」のどちらを使うか迷ったことはありませんか? 今回、エコキュートなどを展開するコロナに、追いだきとたし湯の違いについて、どちらが節約になるのかも含めて聞いてみました。 ■ 追いだきとたし湯、経済的なのは…… まずは追いだきとたし湯の違いについて。「たし湯」はタンクに貯めた高温のお湯をお風呂に注ぐことで温めるため、浴槽内の湯量が増えます。なお、給湯器の種類によっては高温のお湯ではなく、お風呂の設定温度と同じ温度のお湯を足す場合もあります。本記事では基本的に高温のたし湯について説明しています。 対して「追いだき」は、お風呂のお湯をポンプで循環させ、タンクに貯めた高温のお湯と熱交換させたのち、再びお風呂に戻すことでお風呂のお湯を温めています。 コロナによると、追いだきとたし湯では「たし湯」の方が電気代を節約できるとのこと。 それはなぜなのか、理由を教えてもらいました。前提として、エコキュートは基本的に割安の夜間電力で沸かしたお湯をタンクに貯めて使います。 追いだきの方が電気代がかかる理由 ・循環ポンプを駆動させるため、電気代が増える ・タンク内の高温のお湯とお風呂のお湯を熱交換する際、放熱による熱ロスが発生するため、電気代が増える ・タンク内の高温のお湯とお風呂のお湯を熱交換するると、タンクに貯めたお湯が冷める。この冷めたお湯を中温水(30~40℃)と呼ぶが、この中温水は給湯には使用できない温度のため、温め直す必要がある。エコキュートでは、ヒートポンプユニットにより大気の熱を取り込んで効率的にタンクのお湯を温めているが、水道水(10~25℃)を温めるよりも、中温水(30~40℃)を温める方がヒートポンプの熱交換効率が低下するため、電気代が増える ■ お風呂配管の掃除頻度は? たし湯の方が電気代の節約にはなりますが、自宅の給湯器が追いだき機能しか備えていない場合もあるでしょう。追いだきは浴槽内のお湯を循環させているとのことで、気になるのが配管の汚れです。 コロナは「お風呂のお湯には外部混入の汚れ(ホコリ・ゴミ)、皮脂汚れ、湯垢(水道のカルキ成分)、入浴剤の洗剤成分などが含まれています。このお湯が繰り返し配管を通過することで配管内部に汚れが付着し、さらに長時間経過すると、それら汚れが雑菌のエサとなりバイオフィルム化して(膜のように溜まって)しまう場合もあります」としています。 追いだきの仕組み上、配管が汚れてしまうのは仕方がないようです。配管洗浄剤などを使って、定期的にお手入れしたいですね。 同社のエコキュートには、リモコン操作によって自動で配管の洗浄を行なう「配管洗浄」機能が搭載されています。お風呂に所定量のお湯を貯めた状態で市販の洗浄剤を入れると、洗浄剤をお風呂の配管やエコキュートの各流路をくまなく循環洗浄して、配管内をきれいにしてくれるとのこと。 使用頻度の目安は、4~6カ月に1回ですが、各家庭により汚れが溜まる量が異なるため、汚れがひどい場合は洗浄頻度を増やしてもいいそうです。洗浄剤はコロナ純正品の「クリーンエース」のほか、ジョンソンの「ジャバ(1つ穴用)」が推奨されています。 お風呂のお湯を汚れにくくする方法についても教えてもらいました。効果的なのは、入浴前に掛け湯やシャワーで体を流し、お風呂の中に汚れやホコリなどを入れないこと。また、浴室乾燥機を利用するときは、洗濯物のホコリが浴槽内に落ちることがあるため、浴槽のフタをした状態で干すといいそうです。 ちなみに、追いだきをしても、貯湯タンク内できれいなお湯と混ざることはありませんが、お湯はり時には追いだき時と同じ配管を通過するため、配管内部に付着した汚れが剥がれてお風呂に混入する場合があるとのこと。同社のエコキュートの場合、お風呂のお湯を排水したことを検知して、約15Lの水で配管内を洗浄する機能で配管内の汚れを軽減させているといいます。 ■ 入浴剤は使える種類か要チェック バスタイムの充実に欠かせない入浴剤ですが、種類によっては給湯機が故障する原因になるため、使用前に給湯機の取扱説明書などをよく確認する必要があります。 温泉水や硫黄、酸、アルカリ、塩分を含んだ入浴剤は、ほとんどの給湯機メーカーが使用を禁止しているとのこと。 コロナの公式サイトでは、エコキュートで使用可能な入浴剤として、花王「バブ」、バスクリン「バスクリン」「きき湯」、アース製薬「バスロマン」「温泡」が挙げられています。 ■ 前日のお湯を温め直すのは本当に節約になる? 水道代節約のため、入浴後のお湯を捨てずに貯めておき、翌日に追いだきやたし湯で温めて直して入るという話がありますが、これは本当に効果があるのでしょうか? コロナによると、エコキュートでの「浴槽の残り湯や水からの沸かし直し」は、効率が低下し消費電力量が増えるため、電気代が高くなる傾向があるそうです。 同社の試算では、1日おきに前日の残り湯を追いだきすると、毎日お湯はりするよりも水道料金は年間約12,100円減少しますが、電気料金は年間約16,900円増加するため、節約にはならないとのこと。 「特に冬期など残り湯が冷たい場合は効率低下が大きいため、残り湯をすべて排水してから新たに『ふろ自動』でお湯はりすることをおすすめいたします」と解説しています。 ■ お風呂やシャワーの節約術 追いだきよりもたし湯、そして前日のお湯を沸かし直すよりも新たにお湯はりすることが節約につながるとわかりました。そのほかにも節約のコツを教えてもらったので、ご紹介します。 シャワーはこまめに止める 節水タイプのシャワーヘッドを使ったり、シャワーをこまめに止めたりすることで節水に。例えば、シャワーの使用量を約10%減らすと、年間で約5.1トン分の節水になります。東京都で試算すると、水道料金が年間約1,900円の節約に、さらにエコキュートでお湯を沸かす量も減るため電気料金は年間約1,300円の節約となります。 浴槽のお湯を1cm減らす お風呂のお湯はり量を約1cm減らすことで、年間約3.6トン分の節水に。東京都の場合は、水道料金が年間約1,500円、電気料金が年間約900円の節約となります。 前の人と間隔を空けずに入る 複数人で続けて入浴する場合は、前の人と間隔を空けずに入ることで、お風呂の保温運転の時間・回数を少なくでき節約となります。 浴槽のフタを閉める 入浴していないときは浴槽にフタをすることで、お風呂のお湯が冷めづらくなり、おふろの保温運転の時間・回数を少なくでき節約となります。 光熱費が気になってお湯に浸かることをためらう人もいるかもしれませんが、寒い冬はこれらの節約術を活用して、ぜひ、お風呂で体の芯まで温まりましょう。
家電 Watch,鄭 恵慶