やっぱりトラブルだらけでムリだったか! エニカのサービス終了で「個人間カーシェア」はほぼ絶滅
●よくあるトラブル1:傷をつけても知らん顔
バンパーをこすった、ホイールをガリっとやってしまった、飛び石でフロントガラスにヒビが入った……。故意または不慮のアクシデントにもかかわらず、借りたクルマに傷をつけても知らん顔で返却するケースがあったことも事実。とくに、夜間に返却する場合、周囲が暗いなかですべての傷の確認をするのは非常に困難です。 借り主が傷をつけたと思われる瞬間がドライブレコーダーに記録されていれば、証拠として追求することもできます。しかし、借りた本人も気がつかないレベルでバンパーをこすった場合(古いクルマにはコーナーセンサーが装備されていないことも多いだけに)、映像などの証拠を押さえるか、現行犯でないかぎり責任の所在があいまいになりがちです。こうして、結果的に貸した側が泣き寝入りすることになってしまうのです。
●よくあるトラブル2:貸し出し中の事故
運転が不慣れなクルマをぶっつけ本番でドライブするわけですから、事故を起こす確率も必然的にあがります。うっかり事故を起こしてしまうこともあれば、背後や側面などから追突されてしまう不慮な事故に遭遇してしまうケースもあります。こうなると気の毒とかいいようがありません。いずれにしても、事故を起こしてしまったら事故処理をしなくてはなりません。 クルマを貸し出す前に「事故を起こした場合」といくら明文化していたとしても、事故を起こしてしまうと冷静さを欠いてしまい、適切な判断ができなくなりがちです。警察を呼ばず、さらには保険会社をはさむことなく、きちんと事故として処理をせずに当事者同士で勝手に示談にしてしまったら、その後の処理が厄介なものとなりがちです。
●よくあるトラブル3:貸し出し中の故障
貸し出し中、急にエンジンが掛からなくなった、バッテリーがあがってしまった、タイヤがパンクしてしまったなどなど。この場合、純粋にクルマのトラブルである場合と、借り主が壊してしまったケースとにわけられます。最近はドライブレコーダーが普及し、証拠として記録することができるようになりましたが、それ以前は自己申告制。借り主が壊したとしても「クルマが勝手に壊れた」といわれてしまったら泣き寝入りするしかなかったのです。 とくに、扱いが難しい旧車およびネオクラシックカーの場合、その多くがMT車です。キャブ車であれば、エンジンを始動するにもコツがいります。壊れることも壊されることもあります。本来、運転に慣れていない人に貸すにはリスクが高く、また軽い気もちで借りられる(借りるべき)クルマではないのです。