【全文】佳子さま29歳の誕生日「誰もが幅広い選択肢を」
【9月】総裁をされている公益社団法人日本工芸会等が主催する「日本伝統工芸展」の展示をご覧になった後、授賞式にご臨席になりました。また後日、同展覧会に、天皇皇后両陛下と敬宮愛子内親王殿下がお出ましになった際には、日本工芸会の関係者とともに会場をご案内になり、素晴らしい作品を両陛下と内親王殿下にご覧いただくことができて、嬉しそうなご様子でした。これに先立ち、1月から6月にかけて、伝統工芸の7つの部会それぞれの展覧会をご覧になりました。各展覧会を通して、様々な地域で伝統的な技を活かしながら新しい作品を生み出す、作家一人ひとりの創意をお感じになったと伺っております。 鳥取県を訪問されました。「いなば西郷工芸の郷」を見学された際には、日本工芸会でご縁のある作家を含め、様々な分野の作家が、互いに刺激を受けながら作品を生み出し、地域の子どもたちが伝統工芸に触れる機会も提供していることを、喜ばしくお思いになったと伺っております。また、「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」の交流会にご臨席になり、高校生や関係者と和やかにお話をされました。その後、COVID-19への罹患が確認されたため、以降の日程はすべて取りやめになり、そのことをとても残念に、また申し訳なく思っていらっしゃるご様子でした。ご臨席の予定であった「全国高校生手話パフォーマンス甲子園」のためのお言葉は、式典の会場で、手話、文字、音声で紹介されました。各パフォーマンスや、ご見学予定であった、音のない世界で、言葉の壁を超えた対話を楽しむ「ダイアログ・イン・サイレンス」の様子は、後日、写真や映像でご覧になりました。 宮城県の東北大学で開催された「女子大生誕生110周年・文系女子大生誕生100周年記念式典」にご臨席になった後、110年前の女子大生の歩みを振り返る展示をご覧になり、科学の魅力を伝える同大学の「サイエンス・アンバサダー」と懇談されました。お言葉では、様々な偏見が作り出す社会の雰囲気や圧力が数多く存在し、これらが、社会が個人の可能性や選択肢を制限したり、個人が自分自身の可能性や選択肢を制限したりすることにもつながると感じる旨を述べられました。そして、東北大学の「ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン」の取組に触れつつ、同質な集団で、同じような考え方ばかりを共有するのではなく、いろいろな人が力を発揮し、意見を交換できる環境では、新しい視点や価値観を歓迎し、あたりまえと感じていたことに疑問を持って、これまでになかったものを見出し、つくり出すことができると思うとお話になりました。