「すべてはグリセードからはじまった」スタイリスト平 健一が貫くパタゴニア愛
カモ柄のナイロンサイドには撥水加工もオン。肌寒い春も、鬱陶しい梅雨の時季も、これ1枚で事足りる快作だ。
<ウーリーフリース>
ウーリーフリースという名前の通り、正確にはグリセードではない。とはいえ、フリース表面に入る柄をご覧あれ。そう、かの“サンダー”を彷彿させるとあって、ファンから大注目を浴びた2018年製のリバーシブルブルゾンである。
「サンダー柄に似たデザインがとにかくツボで、サイズ違い含めて3着持っています(笑)。ウールライクなフリースの質感は確かに気持ちいのですが、ちょっと毛玉になりやすいのが玉に瑕」 胸元に“デカタグ”と呼ばれる旧ロゴを採用するなど、ディテールも秀逸。ファン泣かせの“復刻グリセード”と呼んで差し支えないだろう。
<パタゴニア50周年モデル>
平さん曰く、「球数が少ないグリセードは必然的に値段が高い」ゆえ、なかなかに手が届きにくい。そこでオススメなのがこのブランド50周年記念モデル、ナチュラルブレンドレトロカーディガンだそう。
「昨年リリースされ、すぐに話題を呼んだ1着です。リバーシブルではありませんが、柄はグリセードのサンダーをイメージさせるもの。ふっくらした質感の気持ち良さは、当然古着とは比べ物になりません。 ちなみに、50周年モデルは他にもいろいろあって、ビブやスナップT、キャップ、バギーショーツ、日本未発売のサンダー柄の水筒なんかも……」 愛深き故、口上は一向に止まず。次回はグリセードと双璧をなすレア・パタゴニア、M.A.R.S.についてご案内。 佐藤ゆたか=写真 増山直樹=文
OCEANS