「すべてはグリセードからはじまった」スタイリスト平 健一が貫くパタゴニア愛
<97年製 サンダー>
これぞ、泣く子も黙る鬼レアフルジップ。97年に作られたメイド・イン・USAのグリセードだ。フリース面の稲妻が走ったようなデザインが特徴で、ついたニックネームはずばり“サンダー”。
「お世話になったオーナーが着ていた“スイカ”は、この柄の緑色バージョンを指します。ぱっと見はインパクトがあるけれど、意外と合わせやすい。僕はウールパンツと合わせて着ることが多いかな」。 発売当時は定価で数万円だったものの、現在では40万オーバーで取引されるケースも多いんだとか。
<95年製 マリ>
ナチュラルなベージュ系のフリースと、ハンターグリーンを纏ったナイロン。アウトドアブランドらしい配色が光る今作は、95年製のグリセード。フリース面に入る幾何学的模様から、マリ柄と呼ばれるモデルだ。レトロ&キュートなハーフジップデザインも◎。
「グリセードのなかでも、総柄は特に人気が高いデザインです。このマリは、ブラックのバージョンも存在します。これはあまり着ていないので、フリースの毛足がまだしっかり立っていますね」。
<M.A.R.S.>
年代を少々すっ飛ばし、こちらは’00年代に作られた1着。フリースはバーガンディ、ナイロンはデジカモを採用している変わり種だ。 「グリセードは’90年代で生産終了でしょ? と思われる方がいらっしゃるかも知れませんが、その後も派生系を含めて“復活”しているんです。これは、なかでもスペシャル。一般販売されていないM.A.R.S.のグリセードです」。
いわゆる軍モノに該当するM.A.R.S.も、パタゴニア好きにとって垂涎の品。そのグリセード型となれば、人気の高さは言わずもがな。M.A.R.S.(=Military Advanced Regulator System)について詳しくは、次回の後編をご覧いただきたい。
<リバーシブルスナップTグリセード>
やや細身のシルエットを持つ、2015年秋冬のモデル。スナップボタン付きのハーフジップデザインで、フリースの毛足は短め。全体的に軽快な印象だ。 「現行のパタゴニアの定番とも言えるスナップTですが、これはモデル名にグリセードも併記されていました。リバーシブルですし、間違いなくグリセードの後継ですよね」