「すべてはグリセードからはじまった」スタイリスト平 健一が貫くパタゴニア愛
アイテムの圧倒的完成度か、はたまた自由と地球環境を尊ぶ企業理念か。いずれにせよ、パタゴニアのファンは数知れず。 【写真19点】「スタイリスト平さんが貫くパタゴニア愛 ―前編― すべてはグリセードからはじまった」の詳細写真をチェック キャンパーとしても有名なスタイリスト平 健一さんも、魅力に取り憑かれたひとりだ。とりわけ名作グリセードは、“お宝”として大事にしているそうで。
「あんまり商売っ気を感じないんですよね。いい意味で」。 平さんのパタゴニア評には裏表がない。有名無名を問わず、アウトドアをはじめとするさまざまなプロダクト、ブランド、総じて深くファッションと関わってきたスタイリストは、パタゴニアの魅力をひとことで総括してくれた。
そんな平さんのパタゴニア“初体験”は中学生の頃だが、もっともインパクトある出会いはスタイリスト専門学校を卒業してからことだった。 ヴィンテージ好きが高じてアルバイトをしていた高円寺の古着店で、運命の出会いを果たす。
「お店のオーナーがよく着ていたのが、パタゴニアのグリセードだったんです。しかも、フリークの間では“スイカ”と呼ばれる貴重な柄。もう、とにかくカッコ良くて。それからパタゴニア愛に目覚めてしまい、今ではグリセードタイプだけで20着前後持っています」
グリセード。その本来の意味は、登山靴を履いたまま雪山の斜面を滑り降りる登山技術のひとつ。ただそれ以上に、パタゴニアの傑作フリースとして認識する人も多いはずだ。 80年代後半に初代が誕生したグリセードは、フリースとナイロンの異素材ミックスをいち早く採用。風を通さず快適で、見た目もグッドセンスなユーティリティウェアは、リバーシブルで着用可能だ。
「フリースとナイロンの組み合わせって今では珍しくないけど、グリセードによって確立された黄金律だと思っています。以降はたくさんのブランドがそのアイデアを取り入れて、それぞれ個性的なアイテムを生み出している。そういう“ロマン”も、僕の食指を動かすのかもしれません」。
マニアたる平さんが持つグリセードのなかには、プレミア価格がついてしまったマスターピースも。では早速、コレクションの一部を拝見しよう。