「〈まぁ、いいか〉くらいでちょうどいい」「老化現象は気に病まず受け入れる」精神科医が教える《老人性うつ》を遠ざける6ヵ条
年齢を重ねると理由もなく悲しくなったり、落ち込んだりすることが増えます。それは感情の老化が原因かもしれません。心の平穏を保つための考え方「心をこじらせない6ヵ条」を伝授します(構成=本誌編集部 イラスト=きじまももこ) あなたは大丈夫?「老後うつ」危険度テスト * * * * * * * ◆【その1】自分を追い込まず「まぁ、いいか」の精神で 年齢を重ねると思考の柔軟性が失われやすくなるため、もともと誠実で真面目だった人が、より融通が利かない人になるケースが見受けられます。 たとえば、健康のためにストレッチを日課にすると決めたのに、それができなかった場合、真面目な人は「怠けてしまった」「頑張らなければ!」と自分を追い込んでしまいがちです。 けれど、人は強制されるとかえって反発するもの。その心の動きを「心理的リアクタンス」と言い、大きなストレスがかかります。 心理的負荷を受けながらストレッチを続けるのもしんどいですが、途中でやめて自分に嫌気がさしてしまうのも苦しい思いをすることになるのです。 それが他者との関係においてなら、なおさらコントロールできないことが増えます。ですから、「べき」「ねばならない」という考え方を手放し、もっと肩の力を抜いて、ゆるゆると頑張らない、「いい加減」な生き方をモットーにしましょう。「まぁ、いいか」くらいでちょうどいいのです。
◆【その2】自分を好きになり大切にすること 年齢を重ねるほどに、気力や体力が低下し、できなくなることが増えるのは当たり前のこと。正常な老化現象を気に病む必要がどこにあるのでしょうか。できなくなるのは、考え方を変えれば「する必要がなくなった」からなのです。 しかし残念なことに、「できなくなった」「変わってしまった」という事実にだけ目を向けて、自分自身を認められず、嫌いになってしまう人がいます。そういう人は、自分を大切にできません。 自分を大切にしない人が他者に優しくできるわけがありませんから、周囲からも疎まれ敬遠されるようになるのです。そして負の連鎖に追い込まれ、苦しみから抜け出せなくなってしまう。 大事なことは、自分を好きになり大切にすること。そうすれば、他者にも親切にする余裕が生まれます。 (構成=本誌編集部)
保坂隆
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