J1仙台が”道渕問題”で緊急募金を停止…経営危機に拍車
結果的に世間の風当たりがどんどん強まったなかで、債務超過を回避するために実施した方策のひとつを1カ月もたたないうちに中断せざるをえなくなった。クラブを支えてきたファン・サポーターが不信感を募らせている状況では、緊急募金を再開させることも現実的ではないはずだ。 日本経済全体が新型コロナウイルスの影響を大きく受けている状況とも相まって、新規スポンサーを獲得する作業は困難を極める。すでに既存スポンサーへお詫びの書面を送付しているが、契約の継続をお願いすることが精いっぱいで、道渕問題で、信頼を失った今、スポンサー料の増額を依頼できる状況にはないだろう。 増資を図るにしても、宮城県と仙台市で48.4%を占めている株主構成を考えれば、税金を投入することになる増資は県民や市民の感情が許さない。何よりも2018年度の当期純利益で7300万円、2019年度では4億2800万円の赤字を計上している経営体制へは、厳しい視線が向けられてきた。 新型コロナウイルス禍に見舞われる以前から経営のずさんさが指摘されてきたなかで、道渕問題に対する不可解な対応が拍車をかける形となって、クラブが最も大切にしなければならない、地元とクラブを結ぶ信頼が大きく損なわれた。現経営陣の総退陣も含めた解体的な出直しを図らない限りは、ベガルタは存続危機から抜け出せない最悪の状況になりつつある。