J1仙台に電撃解雇した”道渕問題”余波…SNS上で誹謗中傷問題が発生
J1のベガルタ仙台がMF道渕諒平(26)との契約解除から一夜明けた21日に緊急声明を発表した。 クラブの公式ウェブサイト上で「選手個人のSNSにおける誹謗中傷について」と題したリリースを掲載。そのなかで道渕に関する週刊誌報道の余波を受ける形で、所属する選手たちを誹謗中傷するコメントが個人のSNSアカウントに投稿されている状況に注意を喚起した。 「先般の週刊誌の報道により、当クラブに所属する選手のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)アカウントに、個人を誹謗中傷するコメントが投稿されているのを確認しております。当クラブはこれらの投稿を見過ごすことはできません」(原文のまま・以下同じ) 道渕は交際していた女性への度重なるドメスティック・バイオレンス(DV)行為を繰り返し、傷害容疑で逮捕までされていたと20日発売の写真週刊誌『フラッシュ』で報じられた、 自分自身に包丁を突きつけているビデオ通話越しの画像を含めて、記事のなかで報じられた道渕の暴力や暴言などのDV行為は大きな衝撃を与えた。 しかし、ベガルタの他の選手たちはまったくの無関係であり、彼らに誹謗中傷を浴びせても何ひとつ意味をなさない。 むしろ匿名の人間たちによって繰り返される、心ないコメントのターゲットになった時点で、他の選手たちも被害者になったと言っていい。 選手たちを守っていく意思を込めて、場合によっては法的措置を講じることも辞さないとベガルタはリリースのなかで”警告”している。
「社会通念に照らし合わせても決して弁解できるものではなく、許されるものではございません。また、宮城県警察および顧問弁護士にも相談しております。改めて、当クラブは誹謗中傷、差別、偏見を含む言動を許容いたしません」 選手の個人的なツイッターやインスタグラムに対して、誹謗中傷を繰り返すアカウントの存在は以前から問題視されてきた。 今年9月以降でも川崎フロンターレや浦和レッズ、横浜FCなどがクラブの公式ウェブサイト上で警告を発してきたが、行為者の特定にはなかなか至らないのが実情だ。 看過できない誹謗中傷を繰り返す行為者の多くが、他人のアカウントで使用されている画像やユーザー名を利用する、いわゆる「なりすまし」であることも問題を複雑なものにしている。 ベガルタの場合も例外ではないのだろう。リリースはこんな呼びかけで締められている。 「今般の報道により、ベガルタ仙台のファン、サポーターの皆様、株主、スポンサーの皆様、Jリーグや各クラブの関係者の皆様にご心配とご迷惑をお掛けし、申し訳ございません。誹謗中傷、差別、偏見を持った発言、コメントは絶対にお止めください。何とぞよろしくお願い申し上げます」 誹謗中傷、差別、偏見が込められた言葉による個人への攻撃は絶対に許されるものではない。しかし、一夜にしてネット空間内でそれらが生み出される原因を成したのは、ベガルタ側が指摘した「先般の週刊誌の報道」だけではないと言っていい。 例えば道渕の逮捕に関するチームの認識の甘さだ。 9月7日に警察の任意同行に道渕が応じ、逮捕状が執行され、数時間後に釈放されたと代理人弁護士から連絡を受けながら、菊池秀逸代表取締役社長らが20日午後に仙台市内で開いた記者会見で、逮捕の事実は確認できていないと要領を得ない回答に終始した。