J1仙台が”道渕問題”で緊急募金を停止…経営危機に拍車
ただクラウドファンディングに関しては、ベガルタの一存で運用を中止することができないという。公式ウェブサイトからクラウドファンディングサイトへはリンクできない措置が取られたが、一部のSNSなどからは当該ページに接続できるため、ベガルタは誤って寄付しないように呼びかけた上で「万が一、ご支援いただいてもご返金できかねますのでご理解ください」とリリースで綴った。 8月中旬の段階で道渕のトラブルを把握していたベガルタは、すでに示談が成立しているとして事実を公表せず、9月20日からはリーグ戦に復帰させていた。しかし、今月20日発売の写真週刊誌『フラッシュ』で交際していた女性へドメスティック・バイオレンス(DV)を繰り返し、傷害容疑で宮城県警に逮捕されていたと報じられると、一転して同日に契約解除と不祥事の公表に踏み切った。 仙台市で生まれ育ち、アカデミー出身でもある看板選手の不祥事は、ファン・サポーターやステークホルダーに協力をお願いする上でネガティブな影響を及ぼす。ゆえに事実を伏せる、つまり隠蔽していたのではないかと、菊池社長をはじめとする経営陣の姿勢をいぶかしむ声が上がった。 実際、道渕の契約解除を受けて、ベガルタの姿勢に不信感を募らせる声がインターネット上で飛び交いはじめた。20日午後にユアテックスタジアム仙台で行われた記者会見では、善意に呼びかけていたファン・サポーターへどのような思いを抱いているのか、と菊池社長は問われている。 「クラウドファンディングを含めて、自粛するという方向でお願いしていく状況です」 こう答えた菊池社長は、質問者から「すでに自粛されている状況なのか」と念を押されると「はい」と首を縦に振り、司会者が「今後自粛を検討していく、という意味です」と慌てて訂正するひと幕もあった。当事者意識に著しく欠けている姿勢が、浮き彫りになったやり取りだったと言っていい。