ブランドが リセール 市場へ積極的に参入するのは是か、否か
デメリット:運用するプログラムの増加
テイト氏が聞いたところによると、ブランドがリセールへの参入をためらう最大の理由のひとつは、人員のキャパシティとプロジェクトに費やせる時間や労力の限界にある。ブランドは新しいウェブサイトやロイヤルティプログラム、卸売の拡大などをなんとかやりくりしているところかもしれず、そこに新しい販売カテゴリーを追加することには抵抗を覚えるかもしれない。 「ビジネスが難航しているときは、自分たちが慣れ親しんでいるところに戻る傾向がある」とテイト氏は語った。 エムエムラフルアーのラフルアー氏は、同社が2017年にリセールを開始しようとしたときは効率的な在庫計画が見出せなかったためうまくいかなかったと語った。「現実的に考えるとあまりにも大きな挑戦だった」ため、結果としてアーカイブのクライアントになったのだという。 リセールチャネルへの参入はしばしばその運用のための新しいベンダーを雇う必要が生じることを意味し、ブランドがほかのビジネスにおける意思決定を優先している場合、その支出が足かせになることがある。スレッドアップのリセールレポートに引用されているファッション小売業者に対するグローバルデータの調査によると、リセールに参入していないブランドの半分近くが、参入するにはサードパーティを雇う必要があると答えている。
メリット:新規顧客とリピート顧客獲得の促進
特に顧客獲得コストが急騰している現在において、ブランドがリセールに参入する大きな動機のひとつが新規顧客獲得の機会だ。フィルソンのモーガン氏は、リセールの価格帯は低いので、若い顧客や定価の新品には手を出せない顧客を惹きつける可能性があると語った。「顧客にとっては、多少の節約ができて、自分の望むように衣服を新調できるチャンスになる」。 アーカイブのギッティンズ氏によると、同社と提携しているブランドでは、リセール品購入者の約50%がそのブランドの新規顧客だという。それでも常に新品を望む顧客もいるが、リセールプログラムはこのような顧客にもメリットがある。「後々リセールできるという選択肢があることがわかると、人々はより高価な商品に投資する傾向があるようだ」と同氏は説明した。 エムエムラフルアーの場合、セカンドアクト経由の売り手の約70%が、販売の対価としてストアクレジットを受け取ることを選択している。ラフルアー氏によると、このような売り手は通常、最終的にストアクレジットの約3倍の金額を使っているという。