2年白星なしも「通用するボールあり」…日ハムから西武移籍の左腕・吉川光夫は新天地で再生しV奪回切り札となれるか?
日本ハムから金銭トレードで西武へ加入した2012年のパ・リーグ最優秀選手賞(MVP)左腕、吉川光夫投手(32)の入団会見が27日、埼玉県所沢市内の球団事務所で行われた。 真新しい西武のユニフォームに袖を通し、同席した渡辺久信ゼネラルマネージャー(GM)から帽子をかぶせてもらった吉川は「チャンスをいただいた、と思っています」と笑顔を浮かべながら新天地における第一声を弾ませた。 「期待している、と言ってもらえることが僕にとってすごくチャンスだと思っています。その期待に応えられるように頑張りたいし、新たな気持ちで、一から野球をやれる思いです」 リーグ3連覇の目標をソフトバンクに絶たれ、最後まで可能性を求めて戦ったクライマックスシリーズ(CS)進出争いでもロッテの後塵を拝した今シーズン。開幕ローテーションに選ばれた6人のなかに左腕がゼロだった西武投手陣は、救援陣を含めて、最後まで左腕不足に泣かされ続けた。 先発左腕の登板数は、ルーキー浜屋将太の8試合が最多で、あとは榎田大樹と新外国人ノリンの5試合、内海哲也の4試合にとどまった。3勝(3敗)をあげた浜屋以外は、1勝に終わり、トータルでも6勝8敗と負け越している。防御率も浜屋の4.07が最高だった。 中継ぎ陣では小川龍也が38試合に登板しているが、6月の開幕をファームで迎えたのに続いて、8月にもファーム落ちした。シーズン終了後には左ひじ鏡視下関節形成術の手術を受け、全治までの期間も未定。リハビリが始まっているが開幕から戦力になるかどうかはわからない。 今オフ、左腕補強が一番のテーマだったため、ドラフトでは即戦力の評価があった早大の左腕、早川隆久をドラフト1位指名したが、クジで敗れ楽天に取られた。こうした状況を受けて、獲得に動いたのが吉川だった。渡辺GMは、「ウチのニーズに当てはまるピッチャーだと思っています」と、獲得理由をこう説明した。 「ウチとしたら貴重な左腕というところで、来シーズンの戦力をいろいろ考えたなかで、まだまだ通用するボールを投げていましたし、必ず戦力になってくれるんじゃないかな、と」