「殺さないで」クマ殺処分の秋田市などに抗議の電話殺到 獣医師立ち合いで麻酔後に電気殺
秋田市のスーパーに侵入したクマを2日に殺処分した対応を巡り、処分を担った秋田県や同市に抗議が殺到している。市には同日午後6時までに計40件以上の電話やメールが寄せられ、うち9割が「殺さないで」という内容だったという。市は住宅地に現れたクマは、近隣住民の安全を第一に考え、その場で処分するのが原則と強調。スーパー内では銃が使えないことも踏まえ、県とともに獣医師が立ち合う中、わなにかかったクマに麻酔を打ち、電気で殺処分したと説明した。 【写真】駆除されたクマを載せ、スーパーを出る軽トラック クマは11月30日早朝に店内に侵入した。12月2日午前に市が仕掛けた箱わなで捕獲された。スーパーの店内では銃を使った止め刺しを行うことができず、市は県とともに、獣医師の指導のもとで麻酔で眠らせた上、電気ショックで殺処分した。電気ショックによる殺処分は一般的な手法だという。殺処分されたクマは焼却された。 市によると、クマが捕獲された報道があった昼過ぎから電話が殺到した。午後6時までに電話が36件、メールが8件寄せられた。ほとんどが「殺さないでほしい」「山に返してほしい」といった内容という。 クマは麻酔で眠らせても、効き目は個体差が大きく、短時間で目を覚ます危険があり、住宅地から離れたところに移動させるのも難しい。市の担当者は「理解してもらうしかない」と頭を抱えた。(高木克聡)