森保Jの「4-3-3」に復帰した“絶好調”久保建英の居場所はあるのか…「問題なくできる」アピールも切り札を使えないジレンマ
プレミアリーグのマンチェスター・シティや、自身の保有権を持つラ・リーガ1部のレアル・マドリードなど、ヨーロッパを代表するビッグクラブが採用する4-3-3は、久保が指摘するように攻撃的な選手をインサイドハーフに並べている。 だからといって、どん底にあえいでいた森保ジャパンが、浮上するきっかけをつかんだ4-3-3を全面的に否定するつもりももちろんない。実際に遠藤や守田、田中も「まだまだ改善の余地がある」と認めている。だからこそ、久保もこう続ける。 「新しいフォーメーションへの挑戦は平たんな道ではないと思うし、いろいろと難しいことがあるのを承知の上で監督も4-3-3にしたと思う。なので、僕がどのポジションになるのかは置いておいて、この場でどうこう語り合うよりも今後の2試合を見てもらった後に僕でもいいですし、他の選手にも聞いてもらえばいいかなと」 思い描くのは周囲とのバランスを考えながら、インサイドハーフがより前線と近い距離でプレーする森保ジャパン版4-3-3の進化形。マジョルカはリーグ戦で4連敗を喫しているものの、個人的には「調子はいい」と胸を張る久保はこう続けた。 「このシステムに関しては新入りみたいなものなので、僕も楽しみにしています。今回は勝利が絶対だと思っていますし、何とか自分の調子のよさをチームに還元したい。ただ、あまり気負わずに、ベストのパフォーマンスを出すのがベストなので。変に背負いすぎずに、いつも通りの感覚で試合に臨めたらいいかなと思っています」 堅守を支えてきたセンターバックコンビ、キャプテンの吉田麻也(33・サンプドリア)と冨安健洋(23・アーセナル)を負傷で欠く今シリーズ。勝ち点の取りこぼしが許されないホーム2連戦でゴールが求められる展開を迎えたときに、セットプレーのプレースキッカー役を含めて、おそらくはベンチスタートとなる久保の存在感が増してくる。 (文責・藤江直人/スポーツライター)