【遂にアイドル摘発】過熱する「路上ライブ」は取り締まるべきか 新宿駅東南口での“事件”から考える是非
■都市社会学教授の見解は? <1段階目>通常時の通行の妨げ 平時の通行の妨げ。こちらは機材等で点字ブロックを塞いだり、通行人が通れないといった妨げになること。 <2段階目>緊急時の交通の妨げ 緊急時に緊急車両が入れない状況であること。 今回の事件で言えば東南口の広場は区が管理する区道となる。その区道に無許可でアンプやミキサーなどすぐに撤去できない機材を置き、一定時間占有し、この2つどちらにも該当したことで道路交通法違反(道路不正使用)となったと考えるのが妥当だろう。
もちろんそれ以外の理由も多々考えられる。 すでに何度か注意を受けているのに続けている常習性や組織ぐるみであったことなど、さまざまあろう。 そのうえでこの東南口広場は国、新宿区が整備を進め、現在は観光案内所や飲食店などがあり各施設は民間事業者と連携しながら運営が行われている非常に複雑な場所であることから、さまざまな苦情が寄せられたことは想像に難くない。 「駅や商業施設で何かあった場合、救急、消防、警察車両などが広場に入ることが十分にあり得ます。そんな一刻を争う緊急時に使用する道路をすぐに撤去できない機材を置き、許可なしに占有することは違法性が高いと認識されるということです」(五十嵐教授)
■緊急車両への妨げ 駅前のロータリーの広めの歩道や広場のようなスペースがあればそこに車両が乗り入れることも十分に考えられる。 ここでポイントとなるのはすぐに撤去できない機材を置いているというところにある。通報などで警察に注意を受けたときに、路上ライブを行う各アーティストはすぐに撤去できるかどうかというのが悪質かどうかのひとつの判断基準となるわけだ。 大きなアンプやミキサー、マイクスタンドなど即時に動かせない機材が置かれていると悪質とみなされる可能性が高くなる。
今回、書類送検されたグループの過去に行われた路上ライブの動画(2023年10月撮影のもの)を確認したが、よく路上ライブで使われるアンプのほかキーボードが置かれていた。 推測の域を出ないが、おそらく今回の摘発もこれらが置かれており、即座に撤去できず通行の妨げになるとみなされたのだと考えられる。 今回、この報道がなされた後、それでもなお南口、東南口で路上ライブを続けるアーティスト数名に匿名ではあるが話を聞くことができた。あるアーティストはこう答えてくれた。