【遂にアイドル摘発】過熱する「路上ライブ」は取り締まるべきか 新宿駅東南口での“事件”から考える是非
ひとつずつ見ていきたい。 ①人通りが多く、アピールするにはうってつけの場所である 当然であるが人がいない場所では自身の練習にこそなれどPRにはならない。 その点、新宿駅は1日乗降客数が平均270万人、JRと私鉄を合わせると350万人という膨大な数の人々が利用するため、多くの観衆の目に留まることになる。 ②演奏・ダンスなどに十分なスペースが確保できる 南口の歩道は幅が広く機材などを置いても十分にパフォーマンスを披露する場所が確保できる。
たとえば多くのアーティストは自前でマイク、アンプを用意して演奏をしたり、歌っている。 よほどの人気アーティストでない限りは観客を含めても完全に歩道を塞ぐといった状況にはなりにくいことも一理あるだろう。 ③SNSを通して売れる(バズる)可能性が圧倒的に高い 一番の理由はなんといってもこれであろう。 とにかく「売れたい」「世間にもっと自分の歌や演奏を知ってほしい」。 そういったアーティストはより多くの人々のスマホやカメラなどで撮ってもらい、SNSでの拡散を狙う。また自らも路上ライブの様子を配信するなどしてアピールするわけだ。
近年では優里など路上から売れたアーティストがいるということも拍車をかけている。 ■天秤にかけても大きい路上ライブで得られるメリット このような理由から南口では路上ライブが後を絶たないわけだが、ここに限らず全国的に見ても駅前など多くの人が行き交う場所は格好のアピールの場となり、路上ライブが行われる傾向にある。 しかし当然、人が行き交う場所では路上ライブは歓迎されず、違法であることのほうがほとんどであろう。故に今回のような事態を生んでしまうわけだ。
アイドルに限らず、路上ライブの問題点はどこにあるのか。 公共空間の利活用について研究している筑波大学の五十嵐泰正教授(都市社会学)に話を伺った。 「路上ライブはよく音量の問題が話題となりますが、新宿駅のような場所はそもそも騒音がすごく、実は音量は逮捕に至るほどの理由にはなりません。もっとも違法性が高い一番の理由としては交通の妨げになっているということです。これには2段階の考え方があります」 五十嵐教授によれば、この2つがある。