火災保険が過去最大の値上げ幅に。保険料を抑えるコツとは
住まいに関する保険の代表的なものに「火災保険」がありますが、建物や家財を対象とする一般的な火災保険では、火災や落雷のほかに破裂・爆発、風災、雪災・ひょう災、水漏れ、水災、盗難などによる損害が補償されています(個々の契約の補償内容は、各保険会社が販売している保険の内容や契約者が選択する内容によって異なります)。 ◆火災保険の早期見直しが必要な人とは?記事後半では保険料の値上げ対策も解説 一方で、地震や噴火、またはこれらによる津波を原因とする損害については火災保険では補償されないため、火災保険を契約する際にはこれらによる損害を補償する「地震保険」とあわせて契約することが多くなっています。 しかし近年の大型台風およびゲリラ豪雨等の自然災害の多発や築古住宅の増加に伴い、保険金支払いによる損害保険会社の収支の悪化を背景として、損害保険料率算出機構が提供する参考純率は全国平均で13%引上げとなりました。 火災保険料は過去10年の間にも何度か引き上げられていますが、今回の値上げは過去最大の引き上げ幅となっています。 そこで本記事では火災保険料値上げに伴い、保険の見直しが必要になる人や値上げへの対策について紹介したいと思います。 ※編集部注:外部配信先ではハイパーリンクや図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
火災保険の早期見直しが必要な人とは?
火災保険の引き上げ幅はお住まいが所在する地域や建物の構造、築年数などによって異なるため、20%以上引き上げられるエリア・構造・築年数の物件もあれば、引き上げ幅が数%程度の場合もあります。 また10月の値上げを前に火災保険を見直すかどうかは現在の補償内容や残存期間などにもよります。 たとえば2015年10月までは最長で35年までの長期契約が可能だったので、2010年に35年の期間で火災保険に加入した場合には2024年の時点で残存期間が21年あり、同じ内容で加入し直した場合には保険料が上がってしまう可能性が高くなります。 したがってすべての方が火災保険料の値上げに備えて保険の見直しをした方が良いわけではありません。 火災保険の見直しが必要になるのは次のうちいずれか一つでもあてはまる人で、その場合には値上げ前に現在加入中の火災保険を見直すことで保険料を安く抑えることができる可能性があります。 ●1年以内に火災保険の満期を迎える 火災保険が満期になる時期が1年以内に迫っている方は、保険料が改定される10月より前に見直しをすることで値上げの影響を回避することができます。 火災保険は解約時に未経過分の保険料が払い戻されるので、解約しても掛け捨てにはなりません。 ただし解約した場合に返還される保険料と加入し直した場合の新しい保険料を具体的によく確認した上で、見直すべきかどうかを検討することが大切です。 ●家の近くに川や山がある 近年は水災が増加して地域による災害リスクの差が顕著になっているため、全国一律の保険料であることに不公平感が増しています。 そのため地域ごとに水災の保険料率が5区分に細分化され、災害リスクに応じて市町村単位で料率を変えるという改定が加えられています。 家が川や山の近くにある場合には、河川の氾濫や土砂崩れなどによる水害発生リスクが高くなるため、現在水災補償を付けていない場合には2024年10月以降に新たに水災補償を付けて契約すると、保険料が大幅に上がってしまいます。 したがって改定が適用される前に、現在加入している火災保険の内容を一度見直してみると良いでしょう。 ●現在の契約に水災補償を付けている 現在水災補償を付けている方であっても水災発生のリスクが高い地域に住んでいる場合には、前述した理由から改定後の保険料が大きく値上がりする可能性があります。 複数の保険会社へ見積もり依頼をして、各社の保険料を比較するようにしましょう。