F1第11戦、ラッセルが波乱のレースを制して自身2勝目、フェルスタッペンは5位【オーストリアGP 決勝】
フェルスタッペンvsノリス、終盤に両者接触の大波乱
2024年6月30日(現地時間)、F1第11戦オーストリアGP決勝がシュピールベルクのレッドブルリンクで行われ、メルセデスのジョージ・ラッセルが優勝。2位にはマクラーレンのオスカー・ピアストリ、3位にはフェラーリのカルロス・サインツが入った。マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は5位、角田裕毅(RB)は14位だった。 【写真はこちら】今回も3番手をキープできていたのがよかった。レースは最後まで生き残っているのが重要 ─── ジョージ・ラッセル選手(全7枚) 先行するレッドブルのマックス・フェルスタッペンを猛追するマクラーレンのランド・ノリス。ここ数戦、そして前日のスプリントと予選でも繰り返された両者の激戦は、レース最終盤で思わぬ形で決着がついた。 レース中盤まではポールポジションから好スタートを切ったフェルスタッペンの独壇場。2回目のタイヤ交換に入る直前までに2番手のノリスに約7秒のアドバンテージを築き上げる。 しかし、ハードタイヤへの交換でまさかのアクシデントが起きる。レッドブルのクルーがリアタイヤの交換に手間取り、ここで一気に4秒ものタイムを失ったのだ。 最終スティントのタイヤはフェルスタッペンが中古のミディアムに対し、ノリスは新品のミディアム。勢いに乗ったノリスは一気にフェルスタッペンとの差を削り取り、54周目にはその差は1秒以内に。 そこからDRSを使ってマクラーレンは何度もレッドブルを脅かすが、フェルスタッペンも違反ギリギリのブロックでノリスを抑え込んだ。 そして運命の64周目。アウトから仕掛けたノリスに対し、フェルスッタッペンはターンインを遅らせてこれをディフェンス。直後に両車は接触し、レッドブルは左リアタイヤ、マクラーレンは右リアをバーストさせてしまう。
3番手をキープしていたラッセルにチャンス到来
ノリスはそのままピットでリタイア。フェルスタッペンはピットインしてソフトタイヤに交換したものの、接触の責があると判断されて10秒ペナルティ、5位に終わった。 接触の直後には皮肉にもノリスに対し審議中だったトラックリミット違反での5秒ペナルティが出されただけに、フェルスタッペンにとっては手痛いアクシデントになってしまった。 これで首位に立ったのは、3番グリッドからのスタートで終盤までそのポジションを守っていたラッセル。 終盤にはピアストリの追い上げにあったものの、DRS圏内に近寄らせることなく逃げ切ってチェッカー。2022年のブラジルGP以来となる自身2勝目を挙げ、「チームが素晴らしい仕事をしてくれて、今回も3番手をキープできていたのがよかった。レースは最後まで生き残っているのが重要」と“棚ぼた”に顔を綻ばせた。 ドライバーズ選手権ではランキング2位のノリスが無得点に終わったため、首位フェルスタッペンがリードを81点に広げている。 次戦第12戦イギリスGPは7月5日にシルバーストン・サーキットで開幕、決勝は7月7日に開催される。(新村さつき)