潜伏キリシタンの歴史に触れる、長崎・五島列島への旅。
●長崎県五島市蕨町五輪 訪問の際は要連絡 拝観無料 問い合わせ:長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産インフォメーションセンター
久賀島|牢屋の窄(さこ)殉教記念聖堂
弾圧の苦しみを伝える信仰の聖地。 1868(明治元)年、久賀島内の信徒約200名が12畳ほどの牢に押し込められた。8カ月耐え忍んだが、病や飢え、拷問で42名が亡くなった。1969(昭和44)年に牢の近くに建てられたが、1984(昭和59)年に実際の牢屋跡に建て替えられ、現教会堂に。内部は絨毯が色分けされ、牢屋の広さがわかる。毎年10月末には殉教祭を開催。 ●長崎県五島市久賀町大開 9時~17時(ミサや教会行事の際は見学不可) 拝観無料
福江島|岩屋観音
岩の洞窟に祀られた愛らしい観音像。 一見すると荒々しい岩肌にしか見えない山の斜面に、人がひとり入るのがやっとの小さな洞窟がある。奥に祀られているのは、木材や布を使った手作りの観音像。観音平の谷合いに住み着いた潜伏キリシタンによるもので、キリスト教を信仰していると悟られないよう観音像をマリア様に見立て、ひっそりと祈りを捧げた。 ●長崎県五島市戸岐町 拝観無料 観音平バス停から半泊教会までの間の山道にある。
久賀島|浜脇教会
五島列島初の鉄筋コンクリート教会。 最初の浜脇教会は五輪地区に移築(現旧五輪教会堂)。現在の浜脇教会は、カトリック信徒以外からの寄付もあり1931(昭和6)年に建立された。五島で最初に建てられた鉄筋コンクリートの教会で、当時にしては珍しく、大勢の見学者が訪れた。「戦時中は標的にならないよう、コールタールで黒く塗られました」(坂谷さん) ●長崎県五島市田ノ浦町263 9時~17時(ミサや教会行事の際は見学不可) 拝観無料
福江島|水ノ浦教会
青空に映える白亜の美しい木造教会。 1880(明治13)年に最初の教会が建築されたが、老朽化にともない1938(昭和13)年に鉄川与助設計施工で、現教会に改築された。現存する木造の教会堂としては国内最大規模を誇る。教会裏の高台には、豊臣秀吉の命で、長崎で磔にされた26聖人のうちのひとりで五島出身の聖ヨハネ五島の像や、弾圧時代の牢跡もある。 ●長崎県五島市岐宿町岐宿1643・1 教会内の拝観は現在中止。