トランプ氏、民主党の牙城NYでも善戦-全米で右傾化が鮮明に
近年、トランプ氏とニューヨーク州の関係は険悪だが、トランプ氏は同州での支持者拡大に向けて取り組んでいる。マディソン・スクエア・ガーデンで2万人規模の集会を開催したほか、ブロンクスの支持者をクロトナ公園でのイベントに誘い、クイーンズにある著名なユダヤ教指導者の墓を訪れた。
民主党の政治ストラテジスト、トリップ・ヤン氏によると、速報データでは、トランプ氏の得票率が2020年の選挙と比べ、市内のすべての行政区で上昇。特にクイーンズ北部、ブルックリン南部、ブロンクスの一部など、アジア系やラテン系有権者の多い地域で顕著だという。ラテン系住民の多いクイーンズの一部では、「ハリス氏の得票率が前回のバイデン氏よりも30ポイントも低かった」と、ヤン氏は述べた。
ブロンクス南部に住むペトロニラ・ラモス・ラミレスさんは夫と息子とともにトランプ氏に投票したと明らかにした。理由はトランプ氏の「ほぼ全て」を気に入っているからだ。
ここ数カ月で犯罪は減少し、市の補助を受ける移民の数も安定してきた。しかし、それらの問題は一部有権者の考えに影響を及ぼしたようだ。
ブルックリンのクラウンハイツに住むラティフ・テイラーさん(32)は、祖母の意向に背いてトランプ氏に投票したが、一因は移民問題だったと語った。
アダムズ市長は2年間にわたり、移民がニューヨークを「破壊」する可能性があると警告し、市のサービスやゴミ収集、図書館、警察の大幅な予算削減を提案。その後、削減を撤回した。移民問題に対応できなかったバイデン政権も繰り返し批判した。
ブルックリンのサンセット・パークで雑貨店を営むルス・ヌニェスさんはトランプ氏に投票した理由を 「この国が混乱しているからだ 」と話す。
ドミニカ共和国出身で初めて投票したヌニェスさんは「家賃も食費も何もかもが高い」と語った。2カ月前に電車で襲われたことも明らかにし、「子供たちの安全が脅かされている」と述べた。