1度に数百万、数千万をかける富裕層の旅で最も求められるサービスとは?
大都市より大自然で快適に過ごす方が金額も手間もかかる
もちろん、目的地が利便性の高い都市である場合と、過酷な自然環境である場合、それぞれの食事や滞在するお部屋はまったく異なるものになります。例えば先日は、あるお客様に南極点への到達を目指す旅のご提案をさせていただきました。 本来南極点の到達を目指す場合、マイナス30度の世界の中、重いリュックを背負って歩きますが、ご提案した旅はプライベートジェットでの移動、食事も山歩き用のドライフードではなく、シェフ同行でフルコース。私たちはこのように、それがどんな環境でも、その中で最大限のラグジュアリーをご提案できるよう努めています。 実は、大都市で贅沢に遊ぶよりも、大自然で快適に過ごすことの方が、金額も手間もかかります。今のラグジュアリートラベルはキラキラしたシャンデリアのような世界よりも、手つかずの大自然をどれだけ不便なく楽しめるかという遊び方が増えている印象です。 そして、その不便さや過酷ささえも楽しみたいという旅の強者(つわもの)も、実は結構いらっしゃいます。このようにそれぞれのお客様の旅偏差値、ご年齢や目的に合わせたラグジュアリーな旅を私たちコンシェルジュはご提案しています。
プラスのサービスを重ねるよりもマイナスを防ぐことに全力を傾ける
そもそも、富裕層の方の考えるラグジュアリーな旅とはなんでしょうか。贅をつくしたホテルにもお食事にも、すでに慣れているような方々です。そういう方に旅を楽しんでいただくために、私たちコンシェルジュが意識していることがふたつあります。 不便がないこと。 ケアされていると、常に感じられるようにすること。 例えば、早朝に入国したのに、ホテルでアーリーチェックインができず、レストランも空いていない。あるいは指定したはずの部屋が用意されていない、予約したレストランが子供不可だった、苦手食材の指示が通っていない、などなど旅に不便やトラブルはつきものでしょう。けれど1度の旅で数百万、数千万をお支払いするような方であれば、楽しい旅の思い出よりも、不便があったことの方が記憶に残ってしまいます。