【フルコンタクト空手】真の体重別王者を決める闘い 男女各階級チャンピオン&世界大会日本代表が決定
5月25日~26日、エディオンアリーナ大阪にて『第9回全日本フルコンタクト空手道選手権大会』(以下、第9回JFKO全日本大会)が開催された。 【写真】流派を越えた体重別国内最強決定戦 各階級ファイナルの激戦 今大会は2024年4月現在、364の流派・団体が加盟する全日本フルコンタクト空手道連盟(JFKO)が主催するものであり、流派の垣根を越えた真の体重別日本一決定戦といえる舞台だ。
文部科学大臣杯も冠された格式高い舞台において、男女ともに軽量級、軽中量級、中量級、軽重量級、重量級の各5階級で全日本王者が決定。 また各階級3位までに入賞した選手は、体重別の世界一を決める『第1回全世界フルコンタクト空手道選手権大会』(以下、第1回WFKO世界大会、2025年5月31日~6月1日)の代表権を手にした。ここでは、激戦模様となった男女各階級決勝戦の模様をダイジェストでお届けする。
男子
男子重量級では第8回大会重量級3位の多田大祐と、同大会軽重量級優勝の多田成慶が決勝で激突した。 本戦では均衡が崩れぬ接戦となる中、カギ突きの連打を強烈な下段蹴りでねじ伏せた多田大祐が悲願のJFKO全日本大会初優勝を達成。第1回WFKO世界大会の出場権を引き寄せた。なお、3位は第7・8大会で重量級準Vの後藤優太。前回大会重量級覇者の渡辺優作は4位となった。 男子軽重量級では、第7回大会準優勝の渡辺和志を準決勝戦で下した片桐大也、そして初のファイナル進出となった金岡陽大が決勝戦で火花を散らした。ともに淑徳巣鴨高校空手道部出身のふたりは、序盤から接近戦で激しい打ち合いを展開。 その最中に金的攻撃や顔面殴打などで片桐に注意3が課せられる。結果的にこの注意が判定を分ける形となり、金岡が初の全日本体重別タイトルを獲得した。渡辺は惜しくも3位、4位には早川羅偉が食い込んだ。 男子中量級は、第7・8回大会中量級準優勝の吉澤穂高と、中量級で第1回国際大会、第4・6回大会を制している福地勇人が決勝戦に進出した。過去の戦績が2勝2敗と実力が拮抗していることもあり、本戦では決着がつかず勝負は延長戦に持ち越しに。だが延長に入ると顔面殴打などで吉澤が2度を受け、流れが次第に福地側に傾いていく。 終盤は互いに力を出し切ってのラッシュ合戦となったが、主導権を譲らなかった福地が節目となる30歳で第6回大会以来となる優勝を引き寄せた。また3位決定戦では、JFKO初入賞となる18歳の塚本慶次郎と第7回大会中量級王者の後迫龍輝が激突。伝説の空手家である塚本徳臣を父に持つ慶次郎が勝利し、第1回WFKO世界大会の切符を手中に収めた。 男子軽中量級決勝は、大坪裕希と前平斗真による新極真会福岡支部の同門対決となった。試合はつねに先手で攻め込んだ前平が本戦5-0で勝利。あと一歩の状況が続いていたが、三度目の正直で初のJFKO全日本タイトルを獲得した。3位には前回大会軽中量級王者の平木楓、4位には呉屋広樹が食い込んだ。 男子軽量級は前回大会王者である澤井天心、第6・7回大会の軽量級を連覇している魚本尚久真がともに準決勝で敗れる波乱が起こった。決勝戦に駒を進めたのは第6回大会準優勝、第8回大会3位の紅谷凱と、JFKO全日本大会初の決勝進出となる新里誠光。僅差の内容となったが、重い突きと下段廻し蹴りでペースを引き寄せた紅谷が悲願の初優勝を飾った。 3位決定戦は、2年前の決勝戦で顔を合わせている澤井と魚本が激突。魚本が得意とする上段蹴りを未然に防いだ澤井が勝利し、第1回WFKO世界大会日本代表の座を引き寄せた。