「監督してんなぁ、わかる!」寺田監督 全日本で“苦悩”を恩師・前田監督に相談 両者の指導論とは?
◇令和6年度 文化講演会 國學院×皇學館「駅伝師弟監督」対談 ~前田監督・寺田監督が「駅伝」の今をそして未来を語る~(11月24日、國學院大學渋谷キャンパス) 【動画】公開悩み相談!? 國學院大・前田康弘監督×皇學館大・寺田夏生監督 國學院大學の前田康弘監督と、かつて國學院大學で前田監督の指導を受け、現在は皇學館大学で監督を務める、寺田夏生さんの「駅伝師弟監督」対談が実現。指導者としての悩み、指導者として大切にしていることを熱く話し合いました。
◆スカウトで大事にしていること
チームが強くなるためには、スカウティングも大切な要素のひとつ。 「卒業生が実績を積み重ねてきてくれたので、(高校生は)最初は大学の順位とかを見ますので、そういう意味では、寺田も今やっていると思うけど、大変な部分じゃない?」と前田監督。 司会が、「寺田監督は、どこを見るんですか?コースを間違えないとか?」とちゃかすと、「それは一番大事なことですね(笑)」と、寺田監督も乗っかります。 寺田監督が指揮をとる皇學館大学は、三重県伊勢市に拠点を置く大学。 「東海地区は、箱根駅伝に挑戦する機会がないので、声をかけても9割8分くらい断られる」と悩みを明かします。 たびたび記録会に足を運び、高校生のレースを見るようにしていると話す寺田監督。 「僕自身が中距離から距離を伸ばしていったタイプなので、そのパターンが指導しやすい。監督になって1年とちょっとなのでまだまだ指導不足。そこを含めてスピードがある子っていうのを一番に見て…」と話すと、横から前田監督が「それ関東も一緒だからね」とつかさずツッコミ。 さらに「練習に行った方がいいよ。試合会場に行って試合の結果見ても…練習を見せてもらった方が、ねぇ」と大先輩から貴重なアドバイスが送られると、寺田監督は、「勉強になります」とぽつり。 一方の前田監督は「レースだと積極的に先頭に立つ子ですね。フロントランナーが私は一番好き」と話し、「後ろに隠れていて、自信なさそうに最後ちょっと出てタイムを出す子と、タイムは出なかったけど、最初の2000m・3000mを積極的にいく子であれば、後者の積極的にいく子の方が心が強い」とコメント。 「箱根駅伝でも自分のパフォーマンスを出すのも簡単ではないので、いろんなプレッシャーがかかる。そこを平林みたいに笑っていればいいんですけど、なかなかいないんですよ(笑)。ああいう子、なかなかいないので」と、マラソン初挑戦ながら、30キロを過ぎても笑顔で走っていた平林清澄選手を例に挙げながら「心の強さを見させてもらっている。我慢もできるし、困難なことが4年間いろいろあるんですけど、負けないという強さを見ている」と、心の強さが大事だと強調しました。