「監督してんなぁ、わかる!」寺田監督 全日本で“苦悩”を恩師・前田監督に相談 両者の指導論とは?
◆指導する上で大切にしていること
指導者になって、今年で2年目の寺田監督。 「選手として走っていた目線と、指導者となって見る景色があまりにも違いすぎて。皇學館の子たちを指導。やる気がある子とない子がいるのをどうやってやる気にさせようかとか。無理やりやらせる、矯正させることも僕自身が限界値を決めてしまっている気がしてやりたくはない…」と悩みを明かします。 恩師は、「大事なのは信頼関係。最初“寺田さん”という名前は知っていても、人間性はわからないから。寮での小さな事の積み重ねを大事にすれば、人と人のぶつかり合いのなかで、信頼を勝ち得てくるといい方向にいく」とアドバイス。 寺田監督が、「前田さんのことを信じて4年間取り組んだ結果、実業団まで行くことができたし、マラソンで2時間8分台を出すことができた。皇學館の子たちとまだまだ深い信頼関係ができていないのかなと気づかされたので、小さな事を大事にして信頼関係を深くしていきたいと思います」と語れば、「そのままやないかい」と前田監督が、再びツッコミ。深い信頼関係がうかがえました。 前田監督は、「選手とはノーガードで打ち合うぐらいのイメージ」で選手たちと接しているといい、「指導者と選手という関係はあるが、一人間と一人間の結びつきだと思っている」としながらも「規律をチームとして掲げる。そこは強調していて、組織には規律が必要」と話します。 「人と人の結びつきとか縁が一番大事。心広く選手を包み込めるかっていうイメージを持って、そこは若い時と変わらない」と熱く語りました。
◆指導者としてうれしい瞬間
前田監督の頬が緩んだのが、指導者としてうれしい瞬間を聞かれた時でした。 「いつもこっちが元気もらうんですよ。選手の走りを見てて一番元気をもらうのは俺なんじゃないかと思うぐらい。選手にいろんなことを教えてもらっている。選手からいろんな学びをいただいているという感じ」と笑顔で語りました。 寺田監督は、「僕のメニューを信じてくれて、自己ベストを出してくれた時が一番うれしい。逆に僕のことを信じてやってくれた子が走れなかったとき、結構ショックが大きいというか、何か間違っていたのかなと思い返すことが多くて…学ばせていただいている」と述べました。